スノウチニュース<№246> 令和7年4月


【建築関連統計】
2月の鉄骨系需要量は27万5,150トン(前年同月比8.3%減)
24年度(4~2月)の需要量334万4,500トン(前年同期比6.8%減)

国土交通省が3月31日に発表した「建築物着工統計調査」による2025年2月着工総面積は8,076千平方メ―トル(前年同月比3.8%増)の微増となり、前年同月比では16ヵ月ぶりの増加となった。着工総面積はなど微増となったものの、相変わらず建設費・人件費の高騰から建築着工需要の低水準が続いている。
建築主別は、▽公共建築物が273千平方メートル(同20.1%減)となり、同4ヵ月ぶりの減少となった。▽民間建築物は7,803千平方メートル(同4.9%増)の微増となり、同16ヵ月ぶりの増加となった。
用途別は、▽居住建築物は4,895千平方メートル(同4.7%増)の微増となり、同10ヵ月ぶりの増加となった。▽非居住建築物は3,181千平方メートル(同2.5%増)の微増となり、同8ヵ月ぶりの増加となった。
構造別では、▽鉄骨造(S造)が2,668千平方メートル(同10.2%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が167千平方メートル(同204.3%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。▽鉄筋コンクリート造(RC造)が1,861千平方メートル(同26.0%増)となり、同10ヵ月ぶりの増加となった。▽木造(W造)が3,323千平方メートル(同3.7%増)となり、同1ヵ月で増加に転じた。
鉄骨系の需要換算では、▽S造は26万6,800トン(前年同月比10.2%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽SRC造は8,350トン(同204.3%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。鉄骨系合計では前月比6.8%増の27万5,150トン(同8.3%減)となった。
25暦年(1~2月)の鉄骨需要量は、▽S造が51万6,400トン(前年同期比16.0%減)、▽SRC造が1万6,450トン(同276.5%増)となり、鉄骨系合計では53万2,850トン(同14.1%減)となった。
24年度(4~2月)の鉄骨需要量は、▽S造が326万4,100トン(前年同期比7.2%減)、▽SRC造が8万0,400トン(同10.6%増)となり、鉄骨系合計では334万4,500トン(同6.8%減)となった。

24年2月-25年2月 鉄骨系需要量の推移

年/月 S造
(TON)
前年比
(%)
SRC造
(TON)
前年比
(%)
鉄骨造計
(TON)
前年比
(%)
2024年2月 297,200 -13.4 2,750 -5.4 299,950 -13.3
3月 317,300 18.7 4,050 -63.9 321,350 15.4
2024年度4月 379,900 -2.9 7,700 -2.5 387,600 -2.9
5月 275,900 -4.0 6,750 -10.1 28,260 -4.2
6月 313,800 4.9 4,900 -56.0 318,700 2.7
7月 321,600 2.5 2,450 -77.4 324,050 -0.2
8月 273,400 -5.9 10,200 27.6 283,600 -5.0
9月 327,900 2.4 1,500 -70.9 329,400 1.3
10月 295,600 -26.4 17,050 111.7 312,650 -23.7
11月 283,200 2.1 10,050 154.2 293,250 4.2
12月 276,500 -13.8 3,350 -18.3 279,850 -13.8
1月 249,600 -21.4 81,00 153.2 257,700 -19.6
2月 266,800 -10.2 8,350 204.3 275,150 -8.3
24年暦(25年1月-25年2月) 516,400 -16.0 16,450 276.5 532,850 -14.1
24年度(24年4月-25年2月) 3,264,100 -7.2 80,400 10.6 3,344,500 -6.8

 

 

(国土交通省調べ)

 

日建連の2月総受注額約1兆2,818億円(前年同月比4.3%減)
民間工事は8,766億6,300万円(同3.6%増)

日本建設業連合会(日建連)が3月28日に発表した会員企業92社の2025年2月分の受注工事総額は1兆2,817億9,100万円(前年同月比4.3%減)の微減となり、前年同月比では3ヵ月ぶりの減少となった。そのうち、国内工事が1兆2,611億7,000万円(同2.1%減)の微減となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽海外工事が206億2,100万円(同59.4%減)の大幅減となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。
民間工事が8,766億6,300万円(同3.6%増)の微増となり、同3ヵ月連続増となった。官公庁工事が3,839億2,900万円(同13.3%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
民間工事の8,766億6,300万円のうち、▽製造業が2,786億3,000万円(同8.0%増)となり、同2ヵ月連続増。▽非製造業5,980億3,300万円(同1.7%増)の微増となり、同3ヵ月連続増なった。官公庁工事の3,839億2,900万円のうち、▽国の機関が2,652億9,400万円(同22.7%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少。▽地方の機関が1,186億3,500万円(同19.2%増)となり、同3ヵ月ぶりの増加。▽その他が5億7,800万円(同135.9%増)の少額ながら、同1ヵ月で増加となった。
2025暦年(1~2月)の受注総工事額が2兆5,110億5,900万円(前年同期比2.7%増)となった。▽民間工事が1兆7,137億3,000万円(同7.9%増)、▽官公庁工事が6,983億2,600万円(同9.3%減)、▽海外工事が933億8,500万円(同16.1%増)となった。
2024年度(4~2月)の受注総工事額が15兆3,227億4,700万円(前年同期比4.9%増)となった。▽民間工事が11兆1,315億4,000万円(同7.0%増)、▽官公庁工事が3兆5,568億3,700万円(同3.5%減)、▽海外工事が5,723億1,700万円(同25.6%増)となった。
2月の地域ブロック別受注工事額は、▽北海道が640億7,200万円(前年同月比2.9%減)の微減となり、前年同月比では1ヵ月で減少。▽東北が504億9,800万円(同26.1%減)となり、同4ヵ月ぶりの減少。▽関東が6,119億9,000万円(同0.6%減)の微減となり、同2ヵ月連続減。▽北陸が391億0,700万円(同50.8%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少となった。
▽中部が1,296億3,300万円(同13.4%増)となり、同2ヵ月連続増。▽近畿が1,902億0,600万円(同5.0%増)の微増となり、同6ヵ月ぶりの増加。▽中国が489億3,400万円(同115.9%増)の大幅増となり、同1ヵ月で増加。▽四国が179億5,300万円(同9.1%減)となり、同1ヵ月で減少。▽九州が1,087億8,100万円(同10.5%減)となり、同1ヵ月で減少となった。



2月の粗鋼生産量は678.7万トン(前年同月比6.6%減)
1月の普通鋼建築用受注量38.5万トン(前年同月比10.1%減)

日本鉄鋼連盟は2月21日に発表した2025年1月の銑鉄生産は507.5万トン(前年同月比5.0%減)となり、前年同月比では2ヵ月ぶりの減少。粗鋼生産は678.7万トン(同6.6%減)となり、同11ヵ月連続減となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が514.6万トン(同5.2%減)となり、同2ヵ月ぶりの減少。▽電炉鋼が164.1万トン(同10.7%減)となり、同6ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が525.2万トン(同6.1%減)となり、同11ヵ月連続減。▽特殊鋼が153.5万トン(同8.1%減)となり、同11ヵ月連続減となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は607.1万トン(同5.3%減)となり、同2ヵ月ぶりの減少となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は478.5万トン(同5.9%減)となり、同2ヵ月ぶりの減少となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は128.6万トン(同2.8%減)となり、同2ヵ月ぶりの減少となった。
なお、12月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が38万5,223トン(前年同月比10.1%減)。うち▽非住宅が26万0,235トン(同14.5%減)となり、▽住宅が12万4,988トン(同0.7%増)となった。
用途別受注量の24年度(4~12月)では、▽建築用が356万2,982トン(前年同期比8.7%減)。うち▽非住宅が248万2,410トン(同9.9%減)。▽住宅が108万0,572トン(同5.8%減)となった。23暦年(1~12月)では、▽建築用が482万5,735トン(前年比8.1%減)。うち▽非住宅が335万0,451トン(同8.4%減)。▽住宅が147万5,284トン((同7.6%減)となった。



1月の溶接材料出荷量1万4,605トン(前年同月比8.8%減)
24年度(4~1月)の総出荷量15万2,026トン(前年比9.9%減)

日本溶接材料工業会が発表した2025年1月の溶接材料出荷量が1万4,605トン(前年同月比8.8%減)となり、前年同月比では10ヵ月連続減となった。24年8月の1万3,155トンに次ぎ過去2番目の低水準となった。
出荷量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が5,902トン(同11.2%減)となり、同8ヵ月連続減。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,259トン(同1.7%減)となり、同6ヵ月連続減。▽被覆溶接棒が1,242トン(同26.9%減)となり、同2ヵ月連続減。その他を含む出荷量計では1万4,605トンとなった。
24年度(4月~1月)の出荷量は、▽SWが6万3,204トン(前年同期比11.9%減)、▽FCWが5万2,956トン(同5.9%減)、▽溶接棒が1万4,901トン(同21.1%減)となり、その他を含む出荷量計での総出荷量は15万2,026トン(同9.9%減)となった。
財務省の貿易統計による1月の▽輸出量は2,479トン(同3.1%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少。▽輸入量は4,663トン(同11.7%減)となり、同1ヵ月で減少となった。
24年度(4月~1月)の輸出量は2万4,244トン(前年同期比7.6%減)、輸入量は4万8,663トン(同5.5%増)となった。

24年1月-25年1月 溶接材料月別実績表

単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2024年 1 6643 5.7 5348 0.8 1698 ▼28.7 16020 ▼1.0
2 7228 1.0 5816 9.1 1779 ▼24.0 16746 ▼1.3
3 7856 10.8 6300 3.3 1729 ▼24.2 17876 1.7
2024年度 4 6410 ▼4.7 5464 ▼3.5 1503 ▼17.0 15384 ▼6.0
5 6605 2.1 5397 ▼3.7 1773 ▼10.0 15780 ▼2.1
6 7546 ▼0.1 5156 ▼12.2 1290 ▼38.5 15363 ▼13.4
7 7017 ▼4.2 5570 3.1 1270 ▼40.4 16012 ▼6.6
8 5275 ▼26.7 4831 ▼9.4 1200 ▼37.2 13163 ▼21.3
9 6982 ▼8.2 5225 ▼11.5 1737 ▼16.7 15888 ▼10.8
10 5818 ▼21.8 5349 ▼5.1 1396 ▼19.0 14827 ▼13.2
11 6082 ▼8.2 5309 ▼9.2 1910 9.9 15477 ▼9.1
12 5567 ▼24.7 5396 ▼5.4 1580 ▼7.7 15527 ▼7.1
2025年 1 5902 ▼11.2 5259 ▼1.7 1242 ▼26.9 14605 ▼8.8
2024年度(4~1月) 63204 ▼11.9 52956 ▼5.9 14901 ▼21.1 152026 ▼9.9

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

日本溶接材料工業会

 

【建築プロジェクト】
「日本橋本町1丁目5番街区計画」は大林組で着工
S造・W造・一部SRC造、11階、延床1.8万平米

東京都中央区日本橋1丁目地区は再開発A街区~D街区の真っただ中、日本橋地区は都心型複合MICE整備や日本橋ビジネスイノベーション拠点が行われ、丸の内・大手町に匹敵するオフィス街を目指している。
三井不動産は、日本橋本町で木造(W造)のハイブリット構造 (混構造)のオフィスビル「日本橋本町1丁目5番街区計画」を建設する。計画地は日本橋本町1-5の昭和通りに面した場所で、敷地面積1,985平方メートル。
建築規模は、S造・W造・一部SRC造、地下1階・地上11階建て、延べ床面積約1万7,950平方メートル(高さ56メートル)。設計は山下設計が担当。施工は大林組で、今年9月着工し、28年4月完成予定。
同建設地は、既存オフィスビル3棟を昨年1月から大林組による解体工事で、今年2月に完了している。同オフィスビル計画は、低層に店舗区画を設けられているが、全フロア―はオフィスとなっている。同社は、隣接地の日本橋本町1-3でも国内最大のW造高層のオフィスビル「日本橋本町1丁目3番計画」を竹中工務店の設計・施工によるW造・S造、地上18階建て(高さ84メートル)、延べ床面積約2万8,000平方メートルを昨年1月に着工し、26年9月に完成する。
日本橋周辺は、歴史・文化の蓄積や水辺環境をいかした街並みの形成と交流拠点でもある。日本橋川沿いエリアの歩行者ネットワークやオープンスペースの整備がされ、周辺と連携したまちの魅力・活力が活かされる。


【時論・公論】
転勤先で充実した新生活

4月は新入学や進級による新しい学びのスタート。会社員らは人事異動の季節。私事ですが随分と昔、某業界紙の東京から大阪支社勤務となった。両親と同居で、中学2年生と小学6年生の娘との6人家族だった。娘たちの転校が気がかりだった。友達や学友と別れ、転校先の公立学校の問題などもあり、どのように伝えるか悩んでいた。
妻ともいろいろ相談したうえで話したら、二人とも「良いよ。クラスにも転校生が居たよ。私も転校してみたかった」との答えに安堵するも、少々気が抜けた。転勤する私の方が、大阪勤務に対してあれこれ考え緊張していただけに、娘たちの積極果敢な気持ちに救われた。まずは、転勤先の住居と転校を決めるために大阪支社に出向いた。
大阪支社顧問役のT氏が宝塚市から通っていて、「お子さんと暮らすなら。阪急電鉄の西宮市が良いよ」と勧められ、不動産店も紹介された。その結果、阪急・西宮北口駅下車地のマンションの2階に転居することになった。娘たちの転校先はマンションに近い西宮市立中学校と小学校に転校することにし、家族4人での新生活となった。
転勤先では会社環境も取材先も変わるため新人社員と同じだが、役職や業務内容は変わらないため人一倍の忍耐と努力が必要だったが、妻も娘たちも全く同じである。政府系シンクタンクの分析によると、夫の転勤に同居を続ける妻は2000年代が70~80%だったが、10年代は50~60%となった。大きな要因は、共働きで夫が単身赴任を選択する世帯が増えたことである。私が転勤した当時は90%超が家族と一緒に転居していた時代だった。
大阪勤務での取材先などの挨拶は予想外に歓迎された。都落ちと思っていたが、大阪人気質を知れば知るほど人情深く、そしてある意味でドライでもある。特に旧M電器系冷機会社のI部長と親しくなり、彼の部下グループとは公私に亘りお世話になり、大阪勤務は充実した約7年間だった。この間に、長女が大学のため実家に戻り、その2年後に次女が短大で妻と一緒に戻り、残った私は大阪市内のアパートに移り、3年ほど単身生活をおくる。
時代は変貌し、昨今では夫の転勤で妻が仕事を辞める人は少なく、しかもリモートワークなどの普及もあり、転勤のスタイルが変わるかもしれない。一方、昨今の子どもたちは学校を初め学習塾、スポーツ、習い事などもあり、転校が難しくなっている。夫の転勤のためだけに家族揃って、新転地で新生活に入ることができなくなっている。
だが今思うことは、大阪勤務の体験は仕事以外に大阪市内はもとより関西地域に精通していることが大いに役立っている。娘たちも高生時代の親しい学友たちとは今も交流してしおり、転勤による新生活にもメリットがある。

【加藤 敏雄】