スノウチニュース<№237> 令和6年7月
【建築関連統計】
5月の鉄骨系需要量は28万2,350トン(前年同月比4.3%減)
24暦年(1~5月)需要量は161万1,950トン(前年同期比1.6%減)
国土交通省が6月28日発表した「建築物着工統計調査」による2024年5月着工総面積は8,353千平方メ―トル(前年同月比7.1%減)となり、前年同月比では7ヵ月連続減となった。着工面積の減少傾向が止まらない。
建築主別は、▽公共建築物が269千平方メートル(同38.7%減)の大幅減となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽民間建築物は8,084千平方メートル(同5.5%減)となり、同7ヵ月連続減となった。
用途別は、▽居住建築物は5,482千平方メートル(同4.5%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽非居住建築物は2,870千平方メートル(同11.8%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
構造別では、▽鉄骨造(S造)が2,756千平方メートル(同4.1%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が135千平方メートル(同10.1%減)となり、同8ヵ月連続減となった。▽鉄筋コンクリート造(RC造)が1,848千平方メートル(同8.7%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽木造(W造)が3,541千平方メートル(同8.6%減)となり、同29ヵ月連続減となった。
鉄骨系の需要換算では、▽S造は27万5,600トン(同4.1%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽SRC造は6,750トン(同10.1%減)となり、同8ヵ月連続減となった。鉄骨系合計での前月比27.2%減少の28万2,350トン(同4.3%減)となった。
24暦年(1~5月)の鉄骨需要量は、▽S造が158万7,500トン(前年同期比0.1%減)、▽SRC造が24,450トン(同50.8%減)となり、鉄骨系合計では161万1,950トン(同1.6%減)となった。
24年度(4~5月)の鉄骨需要量は、▽S造が65万5,500トン(前年同期比3.4%減)、▽SRC造が14,450トン(同6.2%減)となり、鉄骨系合計では66万9,950トン(同3.5%減)となった。
23年5月-24年5月 鉄骨系需要量の推移
年/月 | S造 (TON) |
前年比 (%) |
SRC造 (TON) |
前年比 (%) |
鉄骨造計 (TON) |
前年比 (%) |
2023年5月 | 287,400 | -15.9 | 7,500 | -50.1 | 294,900 | -17.3 |
6月 | 299,300 | -29.6 | 11,100 | 70.5 | 310,400 | -28.0 |
7月 | 313,700 | -27.9 | 10,900 | -11.4 | 324,600 | -27.4 |
8月 | 290,500 | -17.3 | 8,000 | 26 | 298,500 | -16.3 |
9月 | 320,100 | -0.7 | 5,200 | 40.6 | 325,300 | 0.0 |
10月 | 401,550 | 16.3 | 8,050 | -24.8 | 409,600 | 15.1 |
11月 | 277,400 | -19.7 | 3,950 | -50.8 | 281,350 | -20.4 |
12月 | 320,600 | 0.6 | 4,100 | -42.5 | 324,700 | 0.3 |
2024年1月 | 317,500 | 6.2 | 3,200 | -84.1 | 320,700 | 0.5 |
2月 | 297,200 | -13.4 | 2,750 | -5.4 | 299,950 | -13.3 |
3月 | 317,300 | 18.7 | 4,050 | -63.9 | 321,350 | 15.4 |
4月 | 379,900 | -2.9 | 7,700 | -2.5 | 387,600 | -2.9 |
5月 | 275,600 | -4.1 | 6,750 | -10.1 | 282,350 | -4.3 |
24歴年(24年1月-5月) | 1,587,500 | -0.1 | 24,450 | -50.8 | 1,611,950 | -1.6 |
24年度(24年4月-5月) | 655,500 | -3.4 | 14,450 | -6.2 | 669,950 | -3.5 |
(国土交通省調べ)
日建連の5月総受注額9,525億円(前年同月比4.7%増)
民間工事は6,754億0,200万円(同0.4%減)
日本建設業連合会(日建連)が6月27日に発表した会員企業92社の2024年5月分の受注工事総額は9,524億7,200万円(前年同月比4.7%増)の微増となり、前年同月比では3ヵ月連続増となった。国内工事が8,934億3,600万円(同1.9%増)の微増となり、同3ヵ月連続増となった。うち民間工事が6,754億0,200万円(同0.4%減)の微減となり、同3ヵ月ぶりの減少。官公庁工事が2,097億8,400万円(同6.0%増)となり、同3ヵ月連続増。▽海外工事が590億3,600万円(75.9%増)の大幅増となり、同6ヵ月連続増となった。
民間工事の6,754億0,200万円のうち、▽製造業が2,261億1,900万円(同53.8%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増。▽非製造業4,492億8,300万円(同15.4%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。
官公庁工事の2,097億8,400万円のうち、▽国の機関が1,733億1,900万円(同9.9%増)の微増となり、同3ヵ月連続増。▽地方の機関が364億6,500万円(同9.2%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽その他が82億5,000万円(同1,709.2%増)の超大幅増となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。
なお、2024暦年(1~5月)の受注総工事額が8兆4,671億6,700万円(前年度比13.1%増)となった。▽民間工事が5兆5,760億4,800万円(同9.2%増)、▽官公庁工事が2兆5,653億5,400万円(同17.2%増)、▽海外工事が3,096億8,200万円(同86.9%増)となった。
2024年度(4~5月)の受注総工事額が2兆3,582億5,600万円(前年度比16.0%増)となった。▽民間工事が1兆6,993億4,300万円(同11.9%増)、▽官公庁工事が5,645億3,900万円(同21.5%増)、▽海外工事が852億3,600万円(同91.7%増)となった。
一方、5月の地域ブロック別受注工事額は、▽北海道が570億2,100万円(前年同月比2.9%減)の微減となり、前年同月比では4ヵ月連続減。▽東北が913億8,900万円(同43.8%増)の大幅増となり、同4ヵ月ぶりの増加。▽関東が3,726億4,100万円(同20.2%増)となり、同3ヵ月連続増。▽北陸が285億4,200万円(同60.8%増)の大幅増となり、同4ヵ月連続増となった。
▽中部が1,117億9,900万円(同5.1%増)の微増となり、同1ヵ月で増加。▽近畿が1,137億6,800万円(同42.1%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少。▽中国が381億4,500万円(同7.0%増)の微増となり、同1ヵ月で増加。▽四国が150億6,100万円(同29.3%増)となり、同3ヵ月ぶりの増加。▽九州が650億6,600万円(同14.6%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。
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5月の粗鋼生産量は716.8万トン(前年同月比6.3%減)
4月の普通鋼建築用受注量42.8万トン(前年同月比4.1%減)
日本鉄鋼連盟は6月21日に発表した2024年5月の銑鉄生産は517.6万トンと前月比2.9%増、前年同月比5.5%減となり、前年同月比では3ヵ月連続の減少となった。粗鋼生産は716.8万トン(前年同月比6.3%減)となり、前年同月比では3ヵ月連続減となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が528.3万トン(同5.7%減)となり、同3ヵ月連続減。▽電炉鋼が188.5万トン(同7.8%減)となり、同2ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が554.9万トン(同7.0%減)となり、同3ヵ月連続減。▽特殊鋼が161.9万トン(同3.6%減)となり、同3ヵ月連続減となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は635.9万トン(同6.7%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は505.3万トン(同7.1%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は130.6万トン(同5.3%減)となり、同3ヵ月連続減となった。
4月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が42万8,371トン(前年同月比4.1%減)。うち▽非住宅が29万2,396トン(同9.6%減)となり、▽住宅が13万5,975トン(同10.4%増)となった。
23暦年(1~4月)の用途別受注量では、▽建築用が169万1,124トン(前年度比6.0%減)。うち▽非住宅が116万0,437トン(同5.3%減)。▽住宅が53万0,687トン(同7.4%減)となった。
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4月の溶接材料出荷量1万5,384トン(前年同月比6.0%減)
24暦年(1~4月)の総出荷量6万6,026トン(前年度比1.6%減)
日本溶接材料工業会が発表した2024年4月溶接材料の総出荷量が1万5,384トン(前年同月比6.0%減)となり、前年同月比では1ヵ月で減少となった。
出荷量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が6,410トン(前年同月比4.7%減)となり、同5ヵ月ぶりの減。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,464トン(同3.5%減)となり、同5ヵ月ぶりの減。▽被覆溶接棒が1,503トン(同17.0%減)となり、同9ヵ月連続減。その他を含む出荷量計では1万5,384トン(同6.0%減)となった。なお、24暦年(1月~4月)の出荷量では、▽SWが28,137トン(前年同期比3.2%増)、▽FCWが22,928トン(同2.4%増)、▽溶接棒が6,709トン(同23.9%)減となり、総出荷量は6万6,026トン(同1.6%減)となった。
財務省の貿易統計による4月の▽輸出量は2,586トン(同1.5%増)の微増となり、同11ヵ月ぶりの増加。▽輸入量は4,711トン(同15.6%減)となり、同7ヵ月連続減となった。
23年4月-24年4月 溶接材料月別実績表
出荷量 | 単位/トン | ||||||||
年/年度 | 月 | ソリッドワイヤ | 前年比 % |
フラックス入りワイヤ | 前年比 % |
被 覆 溶接棒 |
前年比 % |
合 計 | 前年比 % |
2023年度 | 4 | 6728 | ▼6.4 | 5660 | 0.5 | 1810 | ▼3.9 | 16367 | ▼2.6 |
5 | 6469 | ▼4.8 | 5606 | 1.5 | 1972 | 4.8 | 16122 | ▼1.0 | |
6 | 7554 | 3.1 | 5873 | 3.2 | 2099 | ▼11.3 | 17740 | ▼1.4 | |
7 | 7322 | 6.1 | 5403 | ▼9.7 | 2131 | 7.8 | 17151 | ▼2.0 | |
8 | 7199 | 13.2 | 5331 | ▼3.1 | 1910 | ▼11.3 | 16726 | 1.4 | |
9 | 7608 | ▼5.0 | 5906 | ▼0.7 | 2085 | ▼12.1 | 17802 | ▼6.3 | |
10 | 7443 | 1.5 | 5639 | ▼1.5 | 1723 | ▼21.2 | 17083 | ▼4.7 | |
11 | 7416 | ▼2.8 | 5782 | ▼0.7 | 1738 | ▼26.9 | 17071 | ▼6.5 | |
12 | 7395 | 4.6 | 5702 | 6.1 | 1712 | ▼22.3 | 16722 | ▼2.0 | |
2024年 | 1 | 6643 | 5.7 | 5348 | 0.8 | 1698 | ▼28.7 | 16020 | ▼1.0 |
2 | 7228 | 1.0 | 5816 | 9.1 | 1779 | ▼24.0 | 16746 | ▼1.3 | |
3 | 7856 | 10.8 | 6300 | 3.3 | 1729 | ▼24.2 | 17876 | 1.7 | |
4 | 6410 | ▼4.7 | 5464 | ▼3.5 | 1503 | ▼17.0 | 15384 | ▼6.0 | |
2024暦年(1~4月) | 計 | 28137 | 3.2 | 22928 | 2.4 | 6709 | ▼23.9 | 66026 | ▼1.6 |
注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。
日本溶接材料工業会
【建築プロジェクト】
内幸町1丁目街区中地区の「セントラルタワー」
SRC造・48階建、延床36万平米、竹中工務店で着工
「内幸町1丁目街区再開発計画」は都内最大級の次世代スマートシティープロジェクト。再開発地は、日比谷通りに面した「帝国ホテル」から南側の交叉点角の「旧みずほ銀行内幸町本部ビル」までの約287メートル、東側約225メートルのJR高架線に面した約6.5ヘクタール。
北地区は「帝国ホテル東京新本館」と「ノースタワー」、中地区が「セントラルタワー」、南地区が「サウスタワー」の3地区による延べ床面積約110万平方メートル。事業者はNTTアーバンソリューションズ、公共建物、第一生命保険、中央日本土地建物、帝国ホテル、東京センチュリー、東京電力HD、NTT、NTT東日本、三井不動産。
中地区の「セントラルタワー」は、再開発の先陣を切るプロジェクトで、事業者は三井不動産、NTT都市開発、公共建物、東京電力パワーグリッド。敷地面積約2万1,656平方メートル、建築面積約1万2,300平方メートル。建築規模はSRC造、地下6階・地上48階・塔屋2層建て、延べ床面積約36万1,000平方メートル、高さ234.5メートルの超高層ビル。基本設計はNTTファシリティズ、デザインはPLPアーキテクチャー。実施設計・施工は竹中工務店で、この7月に着工し、29年2月に完成予定。
同開発街区は日比谷通りを挟んだ日比谷公園(敷地16ヘクタール)と一体化されるのが最大の特徴だ。また、ビジネス街の大手町、丸の内、有楽町、霞が関、虎ノ門。さらに銀座、新橋といった都心街での結節点地。
「セントラルタワー」の施設は、地下階にDHC(地域冷暖房供給システム)、低層階部分には店舗など商業施設や人工地盤・大規模広場、道路上空公園、宴会場が設けられる。中層階部分には基壇部上広場、産業支援施設、ホールとなる。高層階部分にオフィス、ホテルとなる。
地下鉄の「日比谷」駅と「内幸町」駅を繋ぐ地上と地下の歩行者ネットワークは、この中地区「セントラルタワー」でアクセスコアを介して、地下レベルから2階レベルに上がり、2階レベルで道路上空公園に接続、日比谷公園に直結できる。
【時論・公論】
スマートフォンは<諸刃の剣>
便利なソーシャルメディアは人間を変え、社会生活を変えている。小型電子器のスマートフォン(スマホ)により何時どこで誰とも繋がり、検索や動画、交通パス、カメラ、マイナ保険証・診察券などに使える万能器だ。今では、小学高学年から高齢者まで常に携帯し、電車内で母親が幼児におもちゃのように遊ばせている光景さえあった。
私鉄を乗り継いで都心までくるが、社内のほぼ8割がスマホを観ている。新聞を読まない、テレビが無い若者が増え、専ら情報源はスマホ。しかも駅構内で歩きスマホが多く、昨今こうした人たちを<スマホゾンビ>と称していることを知り、的をえた指摘だと思っている。駅のプラットホームにホームドアが付き、スマホゾンビが増える一方である。歩きスマホも危険だが、最悪なのが車の運転中や自転車でのスマホ操作は絶対にやってはいけない行為。
確かにスマホは<便利この上なし>である。パソコンが無くともInternet(インターネット)やTwitter (ツイッター)によって活字媒体から遊離し、辞書や百科事典が不要な社会となった。ここで危惧するのは集中力や自制心が欠如し、親子の関係性が希薄になることや、このような事で友達や知人との関係に影響を及ぼすことが心配になる。
SNS(ネット交流サービス)のX(旧ツイッター)は、2008年4月に日本語版のサービスが開始されて以来、今やティックトック(Tiktok)やインスタグラム(Instagram) などのソーシャルメディアは切っても切れない存在となったが、昨今では著名人の名を騙ったニセ情報による詐欺被害が多発し、SNSの信頼性もが問われている。
スマホ普及率では20代~50代ではほぼ100%の保有率。またサラリーマンでは業務用と2台保有する人もいる。博報堂メディア環境研究所調査では96.5%の保有率となっている。スマホのキャリア(通信事業者)は、ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアと格安プラン、更に楽天・UQ・ワイモバイル、格安SIMなどとなっている。
使用料金はキャリアにより異なるものの、多くの情報源をインストールしている人では月額1万円から1万5,000円台が多い。高校生や大学生にとっては高額なため、アルバイトをするなどをしてスマホ料金を稼いでいる。
SNSの詐欺情報に次いで、<スマホ乗っ取り>による高級腕時計の購入やタクシー決済などの被害が増えている。手口は、氏名・生年月日・住所・スマホの番号が分かれば<マイナンバーカード>が偽造でき、偽造カードでキャリア営業所にて機種変更をされている。営業所にはカードの真贋判定器が無く、機種変更ができた。スマホには個人情報や金銭決済ができる万能器だが、一歩間違えると大変な被害の元凶にもなること肝に命じてほしい。
【加藤 文雄】