スノウチニュース<№228> 令和5年10月
【鉄骨需要月別統計】
8月鉄骨需要量は29万8,500トン(前年同月比16.3%減)
23年度(4月~8月)需要量162万7,500トン(前年同期19.0%減)
国土交通省が9月29日発表した「建築物着工統計調査」の2023年8月着工総面積は9,311千平方メ―トル(前年同月比10.7%減)となり、前年同月比では7ヵ月連続減となった。前年同月比では昨年8月と今年7月の10,000千平方メートル台以外は10,000千平方メートル割れとなった。
建築主別は、▽公共建築物が270千平方メートル(同15.6%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽民間建築物は9,042千平方メートル(同10.6%減)となり、同7ヵ月連続減となった。
用途別は、▽居住建築物は5,788千平方メートル(同10.2%減)となり、同12ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,523千平方メートル(同11.5%減)となり、同7ヵ月連続減となった。
構造別は、鉄骨建築の▽鉄骨造(S造)が2,905千平方メートル(同17.3%減)となり、同6ヵ月連続減となった。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が160千平方メートル(同25.5%増)となり、同1ヵ月で増加となった。
一方、▽鉄筋コンクリート造(RC造)が2,024千平方メートル(同12.8%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽木造(W造)が4,136千平方メートル(同5.4%減)となり、同20ヵ月連続減となった。
鉄骨需要換算では、▽S造は29万0,500トン(前年同月比17.3%減)となり、同6ヵ月連続減となった。▽SRC造は8,000トン(同25.5%増)となり、同1ヵ月で増加となった。鉄骨造の合計では前月比8.0%減の29万8,500トン(前年同月比16.3%減)となった。
23年度(4~8月)の需要量は、▽S造が158万2,100トン(前年同期比19.1%減)、▽SRC造が4万5,400トン(同17.5%減)となり、鉄骨造の合計では162万7,500トン(同19.0%減)となった
23暦年(1~8月)の需要量は、▽S造が249万1,500トン(前年同期比16.5%減)、▽SRC造が7万9,700トン(同1.3%増)となり、鉄骨造の合計では257万1,200トン(同16.1%減)となった
22年8月-23年8月 鉄骨需要量の推移
年/月 | S造 (TON) |
前年比 (%) |
SRC造 (TON) |
前年比 (%) |
鉄骨造計 (TON) |
前年比 (%) |
2022年8月 | 350,100 | 8.6 | 6,350 | 73 | 356,450 | 19.1 |
9月 | 321,600 | -6.1 | 3,700 | -58.7 | 325,300 | -7.5 |
10月 | 345,200 | -35.0 | 10,700 | -2.5 | 355,900 | -34.3 |
11月 | 345,600 | -0.2 | 8,000 | 13.4 | 353,600 | 0.1 |
12月 | 318,600 | -25.5 | 7,150 | -60.6 | 325,750 | -26.9 |
2023年1月 | 299,000 | -14.0 | 20,150 | 178.8 | 319,150 | -10.0 |
2月 | 343,200 | 3.5 | 2,900 | -74.7 | 346,100 | 0.9 |
3月 | 267,200 | -23.9 | 11,250 | 123.3 | 278,450 | -21.9 |
4月 | 391,200 | -3.0 | 7,900 | -46.6 | 399,100 | -4.5 |
5月 | 287,400 | -15.9 | 7,500 | -50.1 | 294,900 | -17.3 |
6月 | 299,300 | -29.6 | 11,100 | 70.5 | 310,400 | -28.0 |
7月 | 313,700 | -27.9 | 10,900 | -11.4 | 324,600 | -27.4 |
8月 | 290,500 | -17.3 | 8,000 | 26 | 298,500 | -16.3 |
暦年計(23年1~8月) | 2,491,500 | -16.5 | 79,700 | 1.3 | 2,571,200 | -16.1 |
年度計(23年4~8月) | 1,582,100 | -19.1 | 45,400 | -17.5 | 1,627,500 | -19.0 |
(国土交通省調べ)
【建築関連統計】
日建連8月総受注額9,981億円(前年同月比4.8%減)
民間工事7,835億4,700万円(同8.8%減)
日本建設業連合会(日建連)が発表した会員企業93社の2023年8月分の受注工事総額は9,980億7,000万円(前年同月比4.8%減)となり、2ヵ月連続1兆円割れとなり、前年同月比では1ヵ月で減少となった。民間工事が7,635億4,700万円(同8.8%減)。官公庁工事が2,194億8,100万円(同16.5%増)となった。
国内工事が9,834億2,000万円(同4.2%減)となり、前年同月比で5ヵ月ぶりの減少となった。民間工事の7,635億4,700万円のうち、▽製造業が2,229億5,900万円(同25.8%減)の大幅減となり、同7ヵ月連続減となった。▽非製造業5,405億8,800万円(同0.7%増)の微増となり、同5ヵ月連続増となった。
官公庁工事の2,194億8,100万円のうち、▽国の機関が1,303億8,900万円(同1.0%増)の微増となり、同4ヵ月連続増となった。▽地方の機関が890億9,200万円(同50.3%増)の大幅増となり、同1ヵ月で増加となった。▽その他が3億9,200万円(同49.2%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽海外工事が146億5,000万円(同33.3%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
8月の地域ブロック別受注工事額は、▽北海道が361億9,200万円(前年同月比38.3%減)となり、前年同月比では3ヵ月ぶりの減少となった。▽東北が584億0,900万円(同62.9%減)の大幅減となり、同4ヵ月連続減となった。▽関東が5,192億3,200万円(同17.4%増)となり、同3ヵ月連続増となった。▽北陸が150億8,600万円(同34.7%減)の大幅減となり、同7ヵ月連続減となった。
▽中部が711億9,000万円(同20.0%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽近畿が942億7,800万円(同35.9%減)の大幅減となり、同2ヵ月連続減となった。▽中国が266億3,100万円(同22.6%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽四国が151億9,700万円(同31.0%減)となり、同4ヵ月ぶりの増加となった。▽九州が1,471億9,200万円(同135.5%増)の2ヵ月連続による超大幅増となり、同4ヵ月連続増となった。
*
8月の粗鋼生産714.6万トン(前年同月比2.9%減)
7月普通鋼建築用受注量43.1万トン(前年同月比7.4%減)
日本鉄鋼連盟は9月22日に発表した2023年8月の銑鉄生産は 538.1万トン(前年同月比0.7%減)となり、前年同月比では3ヵ月ぶりの減少。粗鋼生産は714.6万トン(同2.9%減)となり、同2ヵ月ぶりの減少となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が550.8万トン(同1.2%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少。▽電炉鋼が163.8万トン(同8.1%減)となり、同13ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が557.8万トン(同0.5%減)となり、同20ヵ月連続減。▽特殊鋼が156.8万トン(同10.6%減)となり、同2ヵ月ぶりの減少となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は629.4万トン(同2.3%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は502.3万トン(同0.3%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は127.1万トン(同9.2%減)となり、同2ヵ月ぶりの減少となった。
一方、7月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が43万0,818トン(前年同月比7.4%減)。うち▽非住宅が30万9,075トン(同10.1%減)、▽住宅が12万1,743トン(同0.3%増)となった。
22年度(4~7月)の用途別受注量では、▽建築用が 171万6,958トン(前同期比13.5%減)。うち▽非住宅が123万6,437トン(同16.6%減)となり、▽住宅が48万0,521トン(同4.2%減)となった。
22暦年(1~7月)の用途別受注量では、▽建築用が306万8,655トン(前年同期比12.9%減)。うち▽非住宅が213万8,165トン(同18.6%減)となり、▽住宅が93万0,490トン(同4.1%増)となった。
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7月溶接材料の出荷量1万7,151トン(前年同月比2.0%減)
23年度(4月~7月)の出荷量6万7,380トン(前年同期比1.8%減)
日本溶接材料工業会が発表した2023年7月の溶接材料実績(生産・出荷・在庫)は、▽生産量が1万7,544トン(前年同月比0.6%増)となり、前年同月比では9ヵ月ぶりの増加。▽出荷量が1万7,151トン(同2.0%減)となり、同10ヵ月連続減。▽在庫量が1万8,031トン(同2.5%増)となり、同1ヵ月で増加となった。
生産量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が7,738トン(同5.3%減)となり、同9ヵ月ぶりの増加。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,521トン(同1.3%増)の微増となり、同6ヵ月ぶりの増加。▽被覆アーク溶接棒が1,826トン(同8.4%減)となり、同4ヵ月ぶりの減少。その他を含む生産量計では1万7,544トン(同0.6%増)となった。
出荷量の主な品種は▽SWが7,322トン(同6.1%増)となり、同2ヵ月連続増。▽FCWが5,403トン(同9.7%減)となり、同4ヵ月ぶりの減少。▽溶接棒が2,131トン(同7.8%増)となり、同1ヵ月で増加。その他を含む出荷量計では1万7,151トン(同2.0%減)となった。
在庫量の主な品種は▽SWが6,831トン(同0.5%増)の微増となり、同18ヵ月連続増。▽FCWが6,449トン(同11.3%増)となり、同12ヵ月連続増。▽溶接棒が2,638トン(同10.5%増)となり、同2ヵ月連続増。その他を含む在庫量計では1万8,031トン(同2.5%増)となった。
23年度(4月~7月)の総生産量は6万7,563トン(前年同期比0.5%減)となり、総出荷量では6万7,380トン(同1.8%減)。23暦年(1月~7月)の総生産量は11万8,333トン(同4.4%減)となり、総出荷量では11万8,104トン(同3.0%減)となった。
なお、財務省の貿易統計による7月の▽輸出量は2,785トン(前年同月比17.2%減)となり、前年同月比では2ヵ月連続減。▽輸入量は5,225トン(同12.7%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
23年度(4月~7月)の▽輸出量は1万0,873トン(前年同期比9.9%減)。▽輸入量は2万0,436トン(同16.7%減)となった。23暦年(1月~7月)の▽輸出量は1万9,294トン(同5.2%減)。▽輸入量は3万7,8561トン(同8.8%減)となった。
22年7月-23年7月 溶接材料月別実績表
生産量 | 単位/トン | ||||||||
年/年度 | 月 | ソリッドワイヤ | 前年比 % |
フラックス入りワイヤ | 前年比 % |
被 覆 溶接棒 |
前年比 % |
合 計 | 前年比 % |
2022年度 | 7 | 7,347 | ▼4.4 | 5,451 | ▼7.0 | 1,994 | ▼10.1 | 17,444 | ▼3.0 |
8 | 5,788 | ▼9.2 | 5,357 | 16.8 | 1,938 | ▼19.5 | 15,415 | 0.3 | |
9 | 7,657 | 1.9 | 5,777 | ▼5.8 | 2,155 | ▼10.4 | 18,202 | 0.3 | |
10 | 8,130 | 3.9 | 6,078 | ▼5.5 | 2,154 | ▼12.8 | 19,084 | 1.5 | |
11 | 7,734 | ▼2.4 | 6,364 | ▼0.4 | 2,268 | ▼6.2 | 18,896 | ▼1.3 | |
12 | 6,867 | ▼8.3 | 5,419 | ▼9.9 | 2,575 | 7.4 | 17,274 | ▼5.3 | |
2023暦年 | 1 | 6,420 | ▼9.0 | 5,186 | 6.5 | 2,095 | ▼2.1 | 15,800 | ▼4.6 |
2 | 7,090 | ▼6.6 | 5,241 | ▼12.8 | 2,533 | 13.2 | 17,007 | ▼7.5 | |
3 | 7,186 | ▼14.2 | 6,274 | ▼12.3 | 2,334 | ▼0.2 | 17,963 | ▼10.4 | |
2023年度 | 4 | 6,594 | ▼6.0 | 5,777 | ▼2.3 | 1,936 | 5.3 | 16,513 | ▼2.8 |
5 | 6,412 | ▼8.6 | 5,240 | 0 | 1,888 | 14.5 | 15,477 | ▼4.3 | |
6 | 7,427 | ▼0.1 | 6,002 | ▼3.3 | 2,297 | 21.3 | 18,029 | ▼0.6 | |
7 | 7,738 | 5.3 | 5,521 | 1.3 | 1,826 | ▼8.4 | 17,544 | 0.6 | |
2023年度(4~7月) | 計 | 28,171 | ▼2.2 | 22,540 | ▼1.2 | 7,947 | 7.8 | 67,563 | ▼0.5 |
2023暦年(1~7月) | 計 | 48,867 | ▼5.7 | 39,241 | ▼3.9 | 14,909 | 5.8 | 118,333 | ▼4.4 |
注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。
出荷量 | 単位/トン | ||||||||
年/年度 | 月 | ソリッドワイヤ | 前年比 % |
フラックス入りワイヤ | 前年比 % |
被 覆 溶接棒 |
前年比 % |
合 計 | 前年比 % |
2022年度 | 7 | 6,903 | ▼6.1 | 5,984 | 7.7 | 1,977 | ▼5.9 | 17,498 | 1.9 |
8 | 6,360 | ▼6.9 | 5,503 | ▼0.6 | 2,154 | ▼8.1 | 16,497 | ▼2.2 | |
9 | 8,005 | ▼2.7 | 5,948 | ▼1.9 | 2,372 | 10.1 | 18,991 | 0.9 | |
10 | 7,335 | ▼0.6 | 5,722 | ▼9.5 | 2,186 | 7.9 | 17,923 | ▼1.0 | |
11 | 7,630 | 2.3 | 5,821 | ▼1.9 | 2,378 | 3.6 | 18,250 | ▼0.2 | |
12 | 7,073 | ▼8.5 | 5,376 | ▼13.5 | 2,202 | ▼6.2 | 17,056 | ▼8.3 | |
2023暦年 | 1 | 6,282 | ▼13.6 | 5,306 | ▼4.2 | 2,382 | 15.1 | 16,180 | ▼6.9 |
2 | 7,156 | 1.7 | 5,330 | ▼10.4 | 2,340 | 10.3 | 16,961 | ▼3.3 | |
3 | 7,091 | ▼10.4 | 6,096 | ▼0.9 | 2,281 | 23.6 | 17,583 | ▼3.7 | |
2023年度 | 4 | 6,728 | ▼6.4 | 5,660 | 0.5 | 1,810 | ▼3.9 | 16,367 | ▼2.6 |
5 | 6,469 | ▼4.8 | 5,606 | 1.5 | 1,972 | 4.8 | 16,122 | ▼1.0 | |
6 | 7,554 | 3.1 | 5,873 | 3.2 | 2,099 | ▼11.3 | 17,740 | ▼1.4 | |
7 | 7,322 | 6.1 | 5,403 | ▼9.7 | 2,131 | 7.8 | 17,151 | ▼2.0 | |
2023年度(4~7月) | 計 | 28,073 | ▼0.5 | 22,542 | ▼1.3 | 8,012 | ▼1.2 | 67,380 | ▼1.8 |
2023暦年(1~7月) | 計 | 48,602 | ▼3.7 | 39,274 | ▼3.0 | 15,015 | 6.2 | 118,104 | ▼3.0 |
注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。
日本溶接材料工業会
【建築プロジェクト】
「田町駅前プロジェクト」は清水建設で10月着工
S造・一部SRC造・20階建て、延床5.5万平米
中央日本土地建物と都市再生機構は、「田町駅前プロジェクト」を地上20階建てのオフィスビルに建て替える。建設地は東京都港区芝5-34-2(敷地面積約5140平方メートル)。1966年築の「春日ビル」(延べ床面積約約3.8万平方メートル)があり、中央日本土地建物と都市再生機構が区分所有していた。
建設するオフィスビルは、S造・一部SRC造、地下3階・地上20階・塔屋1層建て、延べ床面積約5万5,500平方メートル。基本設計を日本設計が担当し、設計・監理・施工は清水建設。10月着工し、25年5月完成の予定。
同ビルの場所は、JR線山手線・京浜東北線・田町駅のほか都営地下鉄浅草線・三田線の三田駅に直結し、国道15線に面した好立地。賃貸オフィスのほかインキュベーションオフィス、カンファレンス、子育て支援施設、店舗、駐車場などの構成。設備とシステムを連動させ、効率的にビルを管理する。二重ガラス構造の窓や太陽光を自動調整するブラインドなどにより消費エネルギーを減らす。ZEBReady認証のほか、「DBJGreenBuilding認証5つ星」「CASBEEウェルネスオフィス認証Sランク」の取得を目指している。
田町駅周辺では、このほかにも大規模な建て替え計画が進んでいる。西口駅前では森永乳業、三井不動産、JR東日本の3社が「森永プラザビル」の建て替えを計画している。
【時論・公論】
急増する物流施設と「2024年問題」
働き方改革関連法の「2024年問題」でトラック、バス、タクシー運転手の時間規制が強化される。サプライチェーンを担う輸送率ではトラック・トレーラーが90%占め、フェリー・船舶が7~8%、鉄道貨物は1%である。運転手不足を補おうため外国人労働者の活用を検討しているが、今の労働条件のままでは抜本解決策とはならない。
輸送需要はネット通販が急増する一方、海外生産する企業の製品ストックや部品供給の<ジャスト・イン・タイム>を維持に物流施設は欠かせない。さらに迅速な配送となれはトラック輸送となるが、運転手不足は深刻だ。
昨年7月に物流施設分析をしたが、今年も物流施設建設は顕著である。23年内着工のS造・SRC造(鉄骨系)の延べ床面積1万平方メートル(平米)以上は103件(9月末現在)あり、総延べ床440万0,893平米になる。1件当たりの平均延べ床は4万2,727平米。最も多い4階建ては54件(比率52.4%)、次いで3階・15件(同14.6%)、5階・13件(同12.6%)、2階・12件(同11.7%)、平屋・5件(同4.9%)、6階・4件(同3.9%)となる。
この4年間の鉄骨系物流施設で鉄骨ファブ業界は潤った。▽19年が63件(前年比96.9%増)、延べ床239万5,570平米(同164.4%増)▽20年が81件(同28.6%増)の同332万2,110平方米(同38.7%増)▽21年が120件(同48.1%増)の同403万2,420平米(同21.4%増)▽22年が143件(同19.2%増)の同597万8,040平米((同48.2%増)となり、この4年間で物件数では約2.3倍、延べ床で約2.5倍になっている。
大規模で様々な用途の物流施設が高速道路ICや都市周辺地に点在し、やがて倉庫・物流業は過当競争になるだろう。かつて、<必要なものを必要なときに必要なだけつくる「トヨタかんばん方式」>の在庫不要論が括目されたが、現在はサプライチェーンと通販により<在庫と迅速供給>となっている。物流施設内はAI(人工知能)やICT(情報通信技術)によって無人化されるが、肝心の輸送に携わる運転手不足が大きなネックとなっている。
このように物流と輸送に影響を及ぼす「24年問題」をどのように折り合いをつけていくのかが大きな課題である。輸送業界は多くの中小企業が担っており、早期に画期的な構造改革や効率化を図ることは困難なことである。
輸送改革をするならば<協業化や企業合併、業務連携と、共同輪配送>である。また、一部地域で食品・日用品や宅配便の共同配送が実験している。運転手不足解消は、賃金などの待遇改善、女性・若年層の雇用・育成である。さらに輸送効率の一例だが、長距離間を一気通過でなく中間地点で運転手が交代し、折り返す方法もある。
【加藤 文雄】