スノウチニュース<№218> 令和4年12月
【鉄骨需要月別統計】
10月鉄骨需要量は35万5,900トン(前年同月比34.3%減)
22年度(4~10月)は269万3,250トン(前年同期比3.9%減)
国土交通省が11月30日発表した「建築物着工統計調査」の2022年10月着工総面積は9,902千平方メ―トル(前年同月比18.1%減)となり、前年同月比では2ヵ月連続減で10,000千平方メートル割れも2ヵ月連続となった。
▽建築主別は、▽公共建築物が420千平方メートル(同13.1%減)となり、同4ヵ月連続減となった。▽民間建築物は9,482千平方メートル(同18.3%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
▽用途別は、▽居住建築物は6,303千平方メートル(同6.9%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,599千平方メートル(同32.4%減)の大幅減となり、同2ヵ月連続減となった。
▽構造別は、▽鉄骨建築のS造が3,452千平方メートル(同35.0%減)の大幅減となり、同2ヵ月連続減となった。▽SRC造が214千平方メートル(同2.5%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
一方、▽RC造が1,809千平方メートル(同11.8%増)となり、同5ヵ月連続増となった。▽W造が4,334千平方メートル(同11.2%減)となり、同10ヵ月連続減となった。
▽鉄骨需要換算では、S造は34万5,200トン(前年同月比35.0%減)の大幅減となり、同2ヵ月連続減となった。SRC造は10,700トン(同2.5%減)の微減となり、同2ヵ月連続減となった。鉄骨造の合計では前月比9.4%増の35万5,900トン(前年同月比34.3%減)となった。
22暦年(1~10月)の需要量は、S造が365万1,400トン(前年同期比2.8%減)、SRC造が9万3,100トン(同41.5%減)となり、鉄骨造の合計では374万4,500トン(同2.1%減)となった。
なお、22年度(4~10月)の需要量は、S造が262万3,800トン(前年同期比4.7%減)、SRC造が6万9,450トン(同41.1%増)となり、鉄骨造の合計では269万3,250トン(同3.9%減)となった。
21年10月-22年10月 鉄骨需要量の推移
年/月 | S造(TON) | 前年比(%) | SRC造(TON) | 前年比(%) | 鉄骨造計(TON) | 前年比(%) |
10 | 530,900 | 61.7 | 11,000 | 105.3 | 541,900 | 0.7 |
11 | 346,400 | 15.4 | 7,050 | -50.5 | 353,450 | 65.7 |
12 | 427,400 | 26.5 | 18,200 | 61.4 | 445,600 | 12.5 |
2022/1 | 347,700 | 9.2 | 7,250 | 50.6 | 354,950 | 27.6 |
2 | 331,400 | 7.5 | 11,500 | 15.9 | 342,900 | 9.9 |
3 | 351,300 | -6.7 | 5,050 | 73.2 | 356,350 | 7.8 |
4 | 403,100 | 4.0 | 14,700 | 144.8 | 417,800 | -6.1 |
5 | 341,400 | -11.9 | 15,050 | 178.2 | 356,450 | 6.1 |
6 | 424,700 | 3.0 | 6,500 | -25.6 | 431,200 | -9.3 |
7 | 434,900 | 17.5 | 12,300 | 126.0 | 447,200 | 2.4 |
8 | 350,100 | 8.6 | 6,350 | 73 | 356,450 | 19.1 |
9 | 321,600 | -6.1 | 3,700 | -58.7 | 325,300 | -7.5 |
10 | 345,200 | -35.0 | 10,700 | -2.5 | 355,900 | -34.3 |
暦年計(22/1~10) | 3,651,400 | -2.8 | 93,100 | -41.5 | 3,744,500 | -2.1 |
年度計(22/4~10) | 2,623,800 | -4.7 | 69,450 | 41.1 | 2,693,250 | -3.9 |
(国土交通省調べ)
【建築関連統計】
日建連10月総受注額1兆1,373億円(前年同月比13.2%増)
民間工事8,034億5,700万円(前年同月比11.5%増)
日本建設業連合会(日建連)が11月29日に発表した会員企業94社の2022年10月受注工事総額は1兆1,373億0,500万円(前年同月比13.2%増)となり、1兆円超は3ヵ月連続となる。前年同月比では7ヵ月連続増となった。うち民間工事が8,034億5,700万円(同11.5%増)となり、同7ヵ月連続増となった。官公庁工事が2,874億7,400万円(同2.9%増)の微増ながら、同2ヵ月連続増となった。
国内工事が1兆0,975億4,100万円(同9.7%増)となり、同3ヵ月連続増となった。民間工事の8,034億5,700万円のうち、▽製造業が1,269億4,700万円(同30.3%減)の大幅減となり、同10ヵ月ぶりの減少になった。▽非製造業が6,765億1,000万円(同25.7%増)の大幅増となり、同1ヵ月で増加に転じた。
官公庁工事の2,874億7,400万円のうち、▽国の機関が1,515億3,700万円(同18.6%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽地方の機関が1,359億3,700万円(同45.9%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。▽その他が66億1,000万円(同3,205.0%増)の超大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。▽海外工事が397億6,400万円(同755.0%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。
22年度(4~10月)の受注工事総額が8兆6,958億5,300万円(前年同期比20.3%増)となり、うち▽民間工事額が6兆1,111億7,100万円(同19.9%増)、▽官公庁工事が1兆9,993億4,600万円(同1.0%増)、▽海外工事が5,434億4,600万円(同300.9%増)となった。
一方、22暦年(1~10月)の受注工事総額14兆0,855億8,600万円(前年同期比5.9%増)となり、うち▽民間工事額が10兆0,464億5,400万円(同9.4%増)、▽官公庁工事が3兆2,952億8,000万円(同12.5%減)、▽海外工事が6,943億3,500万円(同191.7%増)となった。
10月の地域ブロック別の受注工事額は、▽北海道が397億4,800万円(前年同月比12.3%増)となり、前年同月比では1ヵ月で増加に転じた。▽東北が581億4,700万円(同9.7%増)となり、同6ヵ月連続増となった。▽関東が4,301億8,200万円(同34.0%増)の大幅増となり、同3ヵ月連続増となった。▽北陸が337億1,100万円(同14.3%減)となり、同7ヵ月ぶりの減少となった。
▽中部が1,190億1,600万円(同30.0%減)の大幅減となり、同4ヵ月連続減となった。▽近畿が2,205億0,300万円(同8.5%減)となり、同1ヵ月で減少した。▽中国が448億6,000万円(同12.7%増)となり、同1ヵ月で増加に戻った。▽四国が138億0,100万円(同9.1%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽九州が1,375億7,100万円(同61.6%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。
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10月粗鋼生産735万トン(前年同月比10.6%減)
9月普通鋼建築用46.3万トン(前年同月比3.4%減)
日本鉄鋼連盟は11月22日に発表した2022年10月の銑鉄生産は520.4万トン(前年同月比11.3%減)となり、前年同月比で10ヵ月連続減。粗鋼生産は734.9万トン(同10.6%減)となり、同10ヵ月連続減となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が530.3万トン(同11.8%減)となり、同10ヵ月連続減、▽電炉鋼が204.6万トン(同7.5%減)となり、同3ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が571.4万トン(同9.6%減)となり、同10ヵ月連続減、▽特殊鋼が163.5万トン(同14.1%減)となり、同9ヵ月連続減となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は660.9万トン(同7.7%減)となり、同10ヵ月連続減となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は520.5万トン(同7.9%減)となり、同5ヵ月連続減となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は140.4万トン(同6.8%減)となり、同9ヵ月連続の減少となった。
一方、9月の普通鋼鋼材用途別受注量では、▽建築用が46万2,911トン(前年同月比3.4%減)。うち▽非住宅が33万4,932トン(同3.1%減)、▽住宅が12万7,979トン(同4.0%減)となった。
なお、22年度上期(4~9月)の普通鋼鋼材用途別受注量では、▽建築用が289万7,811トン(前年同期比2.8%減)。うち▽非住宅が215万3,309トン(同2.2%減)となり、▽住宅が74万4,502トン(同4.6%減)となった。
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9月溶接材料の出荷量1万8,991トン(前年同月比0.9%増)
22暦年上期の総出荷量15万7,276トン(前年同期比1.5%減)
日本溶接材料工業会が発表した2022年9月の溶接材料実績(生産・出荷・在庫)では、▽生産量は1万8,202トン(前年同月比0.3%増)の微増となり、前年同月比で2ヵ月連続増となった。▽出荷量では1万8,991トン(同0.9%増)の微増となり、同1ヵ月で増加に転じた。▽在庫量は1万5,716トン(同8.9%増)となり、同7ヵ月連続増となった。
生産量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が7,657トン(同1.9%増)となり、同6ヵ月ぶりの増加。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,777トン(同5.8%減)となり、同1ヵ月で減少。▽被覆アーク溶接棒が2,155トン(同10.4%減)の同6ヵ月連続減。その他を含む生産量計では1万8,202トン(同0.3%減)となった。
出荷量の主な品種は▽SWが8,005トン(同2.7%減)となり、同6ヵ月連続減。▽FCWが5,948トン(同1.9%減)となり、同2ヵ月連続減。▽溶接棒が2,372トン(同10.1%増)となり、同3ヵ月ぶりの増加。その他を含む出荷量計では1万8,991トン(同0.9%増)となった。
在庫量の主な品種は▽SWが5,874トン(同24.2%増)となり、同8ヵ月連続増。▽FCWが5,479トン(同8.5%増)となり、同2ヵ月連続増。▽溶接棒が2,513トン(同7.8%減)の同12ヵ月ぶりの減少。その他を含む在庫量計では1万5,716トン(同8.9%増)となった。
22年度(4~9月)の総生産量は10万2,375トン(前年同期比3.4%減)となり、総出荷量では10万4,081トン(同4.1%減)となった。一方、22暦年(1~9月)の総生産量は15万7,379トン(前年同期比0.8%増)となり、総出荷量は15万7,276トン(同1.5%減)となった。
なお、財務省の貿易統計による9月の輸出量は3,124トン(前年同月比4.9%減)となり、輸入量は5,519トン(同10.7%減)となった。
21年9月-22年9月 溶接材料月別実績表
生産量 | 単位/トン | ||||||||
年/年度 | 月 | ソリッドワイヤ | 前年比 % |
フラックス入りワイヤ | 前年比 % |
被 覆 溶接棒 |
前年比 % |
合 計 | 前年比 % |
2021年度 | 9 | 7,512 | 31.4 | 6,133 | ▼0.8 | 2,404 | 35.4 | 18,148 | 15.3 |
10 | 7,822 | 11.8 | 6,430 | 10.3 | 2,471 | 43.0 | 18,810 | 9.9 | |
11 | 7,922 | 5.2 | 6,390 | 9.1 | 2,419 | 31.1 | 19,137 | 9.8 | |
12 | 7,490 | 12.9 | 6,017 | 13.6 | 2,396 | 44.3 | 18,249 | 14.0 | |
2022年 | 1 | 7,060 | 17.1 | 4,866 | ▼9.0 | 2,141 | 18.7 | 16,564 | 7.4 |
2 | 7,592 | 12.0 | 6,011 | 6.5 | 2,236 | 12.8 | 18,387 | 8.9 | |
3 | 8,376 | 13.6 | 7,162 | 23.7 | 2,339 | 8.4 | 20,053 | 12.6 | |
2022年度 | 4 | 7,017 | ▼5.5 | 5,910 | ▼2.3 | 1,839 | ▼14.3 | 16,997 | ▼7.1 |
5 | 7,022 | ▼4.2 | 5,245 | ▼1.1 | 1,648 | ▼17.4 | 16,178 | ▼4.4 | |
6 | 7,432 | ▼6.5 | 6,208 | ▼4.3 | 1,894 | ▼22.1 | 18,139 | ▼5.9 | |
7 | 7,347 | ▼4.4 | 5,451 | ▼7.0 | 1,994 | ▼10.1 | 17,444 | ▼3.0 | |
8 | 5,788 | ▼9.2 | 5,357 | 16.8 | 1,938 | ▼19.5 | 15,415 | 0.3 | |
9 | 7,657 | 1.9 | 5,777 | ▼5.8 | 2,155 | ▼10.4 | 18,202 | 0.3 | |
2022年度 (4~9月) |
計 | 42,263 | ▼4.5 | 33,948 | ▼1.4 | 11,468 | ▼15.7 | 102,375 | ▼3.4 |
2022暦年 (1~9月) |
計 | 65,291 | 1.3 | 51,987 | 1.5 | 18,184 | ▼6.9 | 157,379 | 0.8 |
注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。
年/年度 | 月 | ソリッドワイヤ | 前年比 % |
フラックス入りワイヤ | 前年比 % |
被 覆 溶接棒 |
前年比 % |
合 計 | 前年比 % |
2021年度 | 9 | 8,231 | 29.1 | 6,063 | ▼0.4 | 2,154 | 6.2 | 18,815 | 13.5 |
10 | 7,377 | 9.9 | 6,320 | 9.8 | 2,373 | 24.9 | 18,118 | 7.2 | |
11 | 7,460 | 4.0 | 5,935 | 0.1 | 2,295 | 26.5 | 18,290 | 6.3 | |
12 | 7,738 | 8.3 | 6,220 | 10.8 | 2,348 | 22.4 | 18,614 | 9.4 | |
2022暦年 | 1 | 7,271 | 4.9 | 5,540 | ▼5.8 | 2,069 | 12.6 | 17,387 | 2.0 |
2 | 7,039 | 2.8 | 5,951 | 4.6 | 2,121 | 6.7 | 17,544 | 4.1 | |
3 | 7,915 | 8.9 | 6,149 | 13.8 | 1,845 | ▼3.3 | 18,264 | 5.7 | |
2022年度 | 4 | 7,190 | ▼20.1 | 5,633 | ▼14.1 | 1,883 | ▼24.6 | 16,806 | ▼14.7 |
5 | 6,796 | ▼2.0 | 5,521 | ▼5.9 | 1,881 | ▼12.3 | 16,289 | ▼4.3 | |
6 | 7,330 | ▼8.2 | 5,693 | ▼10.2 | 2,366 | 6.8 | 18,000 | ▼5.2 | |
7 | 6,903 | ▼6.1 | 5,984 | 7.7 | 1,977 | ▼5.9 | 17,498 | 1.9 | |
8 | 6,360 | ▼6.9 | 5,503 | ▼0.6 | 2,154 | ▼8.1 | 16,497 | ▼2.2 | |
9 | 8,005 | ▼2.7 | 5,948 | ▼1.9 | 2,372 | 10.1 | 18,991 | 0.9 | |
2022年度 (4~9月) |
計 | 42,584 | ▼6.1 | 34,282 | ▼4.6 | 12,633 | ▼6.1 | 104,081 | ▼4.1 |
2022暦年 (1~9月) |
計 | 64,809 | ▼2.4 | 51,922 | ▼1.8 | 18,668 | ▼2.7 | 157,276 | ▼1.5 |
注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。
日本溶接材料工業会
【建築プロジェクト】
兵庫医科大学病院の新病院棟は久米設計・鹿島
S造・一部RC造、15階建て、延床7.1万平米
兵庫医科大学病院 (西宮市武庫川町1-1) は阪神高速3号神戸線沿いの旧9号館と立体駐車場跡地(建築面積約5,500平方メートル)に地上15階建ての「新病院棟」を建設する。同計画は施設の老朽化による診療機能低下や先端医療への拡張性・臨床教育の充実を確保するなどを目的とする新病院棟計画となる。
建築規模は、S造・一部RC造(リニアック廻り)の地上15階・塔屋(ヘリポート)建て、延べ床面積約7万1,000平方メートル(842床、全体で963床)。設計は久米設計、施工は鹿島が担当。23年4月着工、25年10月完成(工期30ヵ月)。開院は26年5月となっている。
院内配置は、▽1階がリニアックと1~2階を近隣住民が利用しやすい「医大モール」▽2階がエントランスホール・総合待合▽3階が内科系外来・内視鏡センター▽4階が超音波・生理検査室、検体・輸血室▽5階が外科系外来、専門外来▽6階が産婦人科外来、リハビリテーション▽7階が職員食堂・厨房、薬剤室▽8階が熱源機械・電気室▽9~15階が入院病棟と医療スタッフルーム・学生スペースを設け、多職種連携の推進と教育機能施設となる。
同病院の主要部門は、医事・患者支援、放射線治療、解剖・剖検、放射線診断、外来、内視鏡センター、生理検査、検体検査、輸血検査、がんセンター、血液浄化センター、アイセンター、リハビリ、臨床研究支援センター、供給(SPD、栄養、薬剤)。なお、新病院棟建設サポート(クラウドファンディング)を募集中。
【時論・公論】
制御幻想を買う「宝くじ」
アメリカの数字選択式宝くじ「パワーボール」1等(ジャックポイント)が11月8日、カリフォルニア州アルタデナで当選者が出た。当選金は20.4億ドル(約2,970億円)の史上最高額。日本の「ロトくじ」とは随分とケタが違う。
さて、「年末ジャンボ宝くじ」の季節ですが、心配なのが宝くじの売上高が年々減ってきている。2005年度1兆1,047億円をピークに21年度8,133億円(前年度比0.3%減/ピーク比26.4%減)。宝くじ購入の4割超が60代以上の高齢者で、若年層は<宝くじ離れ>だという。なぜ高齢者は<確率の低い>宝くじを買い続けるのか!
その高齢層の私も「ロトくじ」購入者である。友人のTさんとは20年前に「運」試しで「ロト6」共同買い(5枠をお互い数字3個を選択する方式)して以来、週1回続け、1,100回超を数える。当たりの最高額は1万数千円で末等含めここ数年の回収率15%前後でコストパフォーマンスは悪いが、Tさんとは<継続は力>を信じて続けている。
個人でも「ロト6」「ロト7」を購入している。「ロト6」3等64万4,000円を当てて以来継続する。今までの回収率3割程度になる。「宝くじ、買わねば当たらず、買っても当たらず」と言われるが、週3回の楽しみが止められない。
ここで、宝くじ収益金の配分率を調べると。20年度の売上高8,160億円のうち、▽当選金が47.0%の3,839億円▽公共事業費が36.6%の2,982億円(発売元の都道府県及び20指定都市へ納められ)▽印刷費・売場人件費が15.0%の1,226億円▽社会貢献・広報費が1.4%の113億円(日本宝くじ協会HPより)である。
宝くじの宣伝内容のわりに若者たちは<コスパが悪い>と関心が薄い。一方、高度成長やバブルを体験した高齢層は「ひょっとすると<一攫千金>に当たるかも、外れても収益金が公共事業に役立っている」と諦めもできる。
毎日新聞9月2日付「論点/宝くじで幸せ?」で、心理学者の森川和則阪大教授は「人間は自分の実力や運を過大評価し、その典型が制御幻想となる。宝くじはコントロールできない。売場や買方を選べば当たる確率を高められると考え、因果関係や相関関係がないところに関係を見出す心理作用が働く」と人は手前勝手な妄想に陥る。
幸福学研究者の前野隆司慶大大学院教授は「1等が当たることは会社を興すとか外国で暮らすくらい急激な変化だ。1等が当たった時のリスクを考えた方が良い。地道な生活が破綻してしまう人が案外多い」と警鐘を鳴らす。
数千円、数万円の当たりがあるために病み付きになり、自分に都合の良いバイアスがかかる。「買えば、いつか当たる」という夢想も良いが、決して熱くならないこと。あなたは、すでに「年末ジャンボ宝くじ」を購入しましたか?
【加藤 文雄】