スノウチニュース<№186> 令和2年4月
【鉄骨需要月別統計】
2月鉄骨需要量31万0,400トン(前年同月比18.9%減)
19年度(4~2月)計は420万3,400トン(前年同期比11.2%減)
国土交通省が3月31日発表した「建築物着工統計調査」の2020年2月着工総面積は9,030千平方メ―トル(前年同月比7.8%減)となり、前年同月対比で6ヵ月連続減となった。10,000千平方メートル割れは2ヵ月連続となった。
▽建築主別は、▽公共建築物が285千平方メートル(同14.5%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽民間建築物は8,745千平方メートル(同7.5%減)となり、同6ヵ月連続減となった。
▽用途別は、▽居住建築物は5,426千平方メートル(同10.9%減)となり、同6ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,605千平方メートル(同2.6%減)となり、同7ヵ月連続減となった。
▽構造別は、▽鉄骨建築のS造は3,000千平方メートル(同20.2%減)となり、同2ヵ月連続の大幅減となった。▽SRC造は208千平方メートル(同56.6%増)となり、同2ヵ月連続の増加となった。
一方、▽RC造は2,032千平方メートル(同19.1%増)となり、同4ヵ月ぶりの増加となった。▽W造は3,734千平方メートル(同9.6%減)となり、同7ヵ月連続減となった。
▽鉄骨需要換算では、S造は30万トンとなり、2ヵ月連続の低水準となった。SRC造は1万0,400トンとなった。鉄骨造計は前月対比では14.3%増となり、前年同月対比では18.9%減の31万0,400トンとなり、30万トンギリギリの低水準となった。
19年度4月~20年2月ではS造は412万9,000トン、SRC造は7万4,400トンとなった。鉄骨造計では前年対比11.2%減の420万3,400トンとなった。19年度も500万トン割れが確実となった。
19年2月-20年2月 鉄骨需要量の推移
年/月 | S造(TON) | 前年比(%) | SRC造(TON) | 前年比(%) | 鉄骨造計(TON) | 前年比(%) |
2019/2 | 376,200 | 1.8 | 6,650 | -80.5 | 382,850 | -5.1 |
3 | 338,500 | -13.6 | 4,600 | -56.5 | 343,100 | -14.7 |
4 | 391,900 | -9.3 | 10,000 | 49.9 | 401,900 | -8.4 |
5 | 376,100 | -12.0 | 7,350 | -10.7 | 383,450 | -12.0 |
6 | 428,300 | -9.1 | 3,750 | 109.3 | 432,050 | -8.7 |
7 | 475,600 | 0.7 | 6,550 | -49.9 | 482,150 | -0.7 |
8 | 421,100 | -4.0 | 2,500 | 64.5 | 423,600 | -3.7 |
9 | 348,300 | -18.1 | 7,600 | 29.7 | 355,900 | -17.5 |
10 | 367,900 | -16.4 | 5,500 | -44.5 | 373,400 | -17.1 |
11 | 351,000 | -14.8 | 4,650 | 12.4 | 355,650 | -14.6 |
12 | 402,700 | 2.6 | 5,400 | -29.7 | 408,100 | 2.0 |
2020/1 | 266,100 | -296 | 5,350 | 65.9 | 271,450 | -28.8 |
2 | 300,000 | -20.2 | 10,400 | 56.6 | 310,400 | -18.9 |
暦年計(20/1~2) | 566,100 | -24.9 | 15,750 | .59.9 | 581,850 | -23.8 |
年度計(19/4~20/2) | 4,129,000 | -11.5 | 74,400 | 8.5 | 4,203,400 | -11.2 |
(国土交通省調べ)
【建築関連統計】
日建連の2月総受注約1兆2,082億円(前年同月比1.7%増)
民間工事8,330億円(前年同期比2.7%減)
日本建設業連合会(日建連)が3月30日に発表した会員企業96社の2020年2月受注工事総額は1兆2,081億9,200万円(前年同月比1.7%増)の微増となり、前年同月比では1ヵ月で増加に転じた。うち民間工事は8,330億4,200万円(同2.7%減)の微減となり、同2ヵ月の減少となった。官公庁工事は3,516億4,900万円(同12.3%増)となり、同1ヵ月で大幅増に転じた。
国内工事は1兆1,881億9,100万円(同1.6%増)の微増ながら同1ヵ月で増加となった。民間工事の8,330億4,200万円のうち、▽製造業が1,592億3,600万円(同32.7%増)の大幅増となり、同4ヵ月ぶりの増加となった。▽非製造業は6,738億0,600万円(同8.4%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
官公庁工事の3,516億4,900万円のうち、▽国の機関が2,531億8,800万円(同14.0%増)となり、同1ヵ月で増加となった。▽地方の機関は984億6,100万円(同8.3%増)となり、同3ヵ月連続増となった。▽その他が35億円(同1,704.1%増)の大幅増となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。▽海外工事は200億0,100万円(同8.6%増)となり、同1ヵ月で増加となった。
19年度4~2月までの合計では、▽総受注工事は11兆8,705億8,000万円(前年同期比5.4%減)。▽民間工事は8兆4,640億8,200万円(同6.2%減)。▽官公庁工事は2兆7,953億7,900万円(同6.0%減)となる。▽海外工事は5,729億0,300万円(同10.8%増)となった。
一方、2月の地域ブロック別の受注工事額は、▽北海道381億6,700万円(前年同月比39.7%減)の大幅減となり、前年同期比で6ヵ月連続の減少。▽東北998億3,800万円(同2.3%増)の微増となり、同1ヵ月で増加。▽関東5,695億4,900万円(同3.9%増)の微増となり、同1ヵ月で増加。▽北陸533億円2,100万円(同34.4%増)の大幅増となり、同1ヵ月で増加となった。
▽中部892億2,300万円(同38.4%減)の大幅減となり、同3ヵ月ぶりに減少。▽近畿2,309億2,100万円(同51.6%増)の大幅増となり、同3ヵ月連続の増加。▽中国270億2,800万円(同18.5%減)となり、同5ヵ月連続減。▽四国141億1,900万円(同66.6%増)の大幅増となり、同1ヵ月で増加。▽九州660億0,600万円(同19.1%減)となり、同1ヵ月で減少となる。
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2月粗鋼生産791.6万トン(前年同月比2.2%増)
1月普通鋼鋼材の建築用44.8万トン(前年同月比8.7%減)
日本鉄鋼連盟が3月23日に発表した2020年2月の銑鉄生産は595.1万トン(前年同月比5.9%増)となり、前年同月比では2ヵ月連続の増加となった。粗鋼生産は791.6万トン(同2.2%増)となり、同2ヵ月連続の増加となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が597.6万トン(同5.4%増)となり、同2ヵ月連続の増加、▽電炉鋼が193.9万トン(同6.4%減)となり、同12ヵ月連続の減少となった。
鋼種別生産では、▽普通鋼が608.5万トン(同5.9%増)となり、同2ヵ月連続の増加、▽特殊鋼が183.1万トン(同8.5%減)となり、同15ヵ月連続の減少となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は687.9万トン(同0.9%減)となり、同20ヵ月連続の減少となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は543.8万トンと前月比3.8%減、前年同月比1.7%増となり、前年同月比では7カ月ぶりの増加となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は144.1万トン(同9.6%減)となり、同14ヵ月連続の減少となった。
1月の普通鋼鋼材用途別受注量による▽建築用が44万8,266トン(同8.7%減)となった。うち▽非住宅用が32万0,669トン(同6.6%減)、▽住宅用が12万7,597トン(同13.6%減)となった。
19年度4~1月の合計では、▽建築用が481万1,758トン(前年同期比11.5%減)、▽非住宅用が334万9,774トン(同12.9%減)、▽住宅用が146万1,984トン(同8.0%減)となった。
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【建築プロジェクト】
ケン・コーポレーションの複合施設「Kアリーナプロジェクト」
S造・RC造・SRC造、地下1階・地上28階・12万平米
不動産会社のケン・コーポレーション(東京都港区)は、横浜市西区みなとみらい6-2-2の「みなとみらい21地区60・61街区」(敷地面積約3万1,794平方メートル)に複合施設の「Kアリーナプロジェクト」を建設する。世界最大級の音楽アリーナ棟をはじめ、ホテル棟・オフィス棟の3棟構成する。
同プロジェクトの建築概要は、▽音楽アリーナ棟はRC造・SRC造・S造、地上7階建て、延べ床面積約4万8,982平方メートル、▽ホテル棟はS造、地下1階・地上28階・塔屋1層建て、同3万5,272平方メートル、▽オフィス棟はS造、地上21階・塔屋1層建て、同2万7,853平方メートルとなっている。3棟合計の延べ床面積は11万9,300平方メートルとなる。
設計は梓設計・国建・鹿島が担当し、施工は鹿島が担当。 2020年8月に着工し、23年10月に完成する予定。19年2月、国土交通省から都市再生特別措置法に基づく民間都市再生事業計画の認定を受けている。
この時点での計画内容は、音楽アリーナ(約2万席)とインターナショナルブランドホテル、オフィスの整備を通じて、上質なエンターテインメントを提供する「ミュージック・パーク」を形成し、国内外から多くの人が訪れる国際的な交流拠点としてふさわしい、地域のにぎわいの核となる施設を創出するとした。
また、沿道に緑化施設を配置するとともに、水辺に隣接したペデストリアンデッキを整備することで、みなとみらい21地区の歩行者ネットワークと連携しながら地区全体ににぎわいを届けるなどを計画している。
※「雑論・正論」は3月で終了しました。