スノウチニュース<№220> 令和5年2月


【鉄骨需要月別統計】
12月鉄骨需要量は32万5,750トン(前年同月比26.9%)
22暦年(1~12月)は442万3,850トン(前年同期比0.0%減)

国土交通省が1月31日発表した「建築物着工統計調査」の2022年12月着工総面積は8,967千平方メ―トル(前年同月比15.8%減)となり、前年同月比では4ヵ月連続で減少した。10,000千平方メートル割れも4ヵ月連続となった。
建築主別は、▽公共建築物が269千平方メートル(同18.8%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽民間建築物は8,698千平方メートル(同15.7%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
用途別は、▽居住建築物は5,577千平方メートル(同5.6%減)となり、同4ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,391千平方メートル(同28.6%減)の大幅減となり、同4ヵ月連続減となった。
構造別は、鉄骨建築の▽鉄骨造(S造)が3,186千平方メートル(同25.5%減)の大幅減となり、同4ヵ月連続減となった。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が143千平方メートル(同60.6%減)となり、同1ヵ月で大幅減となった。
一方、▽鉄筋コンクリート造(RC造)が1,698千平方メートル(同4.3%増)となり、同1ヵ月で増加に戻った。▽木造(W造)が3,861千平方メートル(同10.2%減)となり、同12ヵ月連続減となった。
鉄骨需要換算では、▽S造は31万8,600トン(前年同月比25.5%減)の大幅減となり、同4ヵ月連続減となった。▽SRC造は7,150トン(同60.6%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少となった。鉄骨造の合計では前月比7.9%減少の32万5,750トン(前年同月比26.9%減)となった。
22暦年(1~12月)の需要量は、▽S造が431万5,600トン(前年比4.8%減)、▽SRC造が10万8,250トン(同17.5%増)となり、鉄骨造の合計では442万3,850トン(同4.3%減)となった。
なお、22年度(4~12月)の需要量は、▽S造が328万8,000トン(前年同期比6.8%減)、▽SRC造が8万4,650トン(同13.6%増)となり、鉄骨造の合計では337万2,650トン(同6.4%減)となった。

21年12月-22年12月 鉄骨需要量の推移

年/月 S造(TON) 前年比(%) SRC造(TON) 前年比(%) 鉄骨造計(TON) 前年比(%)
12 427,400 26.5 18,200 61.4 445,600 12.5
2022/1 347,700 9.2 7,250 50.6 354,950 27.6
2 331,400 7.5 11,500 15.9 342,900 9.9
3 351,300 -6.7 5,050 73.2 356,350 7.8
4 403,100 4.0 14,700 144.8 417,800 -6.1
5 341,400 -11.9 15,050 178.2 356,450 6.1
6 424,700 3.0 6,500 -25.6 431,200 -9.3
7 434,900 17.5 12,300 126.0 447,200 2.4
8 350,100 8.6 6,350 73 356,450 19.1
321,600 -6.1 3,700 -58.7 325,300 -7.5
10 345,200 -35.0 10,700 -2.5 355,900 -34.3
11 345,600 -0.2 8,000 13.4 353,600 0.1
12 318,600 -25.5 7,150 -60.6 325,750 -26.9
暦年計(22/1~12) 4,315,600 -4.8 108,250 17.5 4,423,850 -4.3
年度計(22/4~12) 3,288,000 -6.8 84,650 13.6 3,372,650 -6.4

(国土交通省調べ)

 

【建築関連統計】
日建連12月総受注額1兆7,819億円(前年同月比6.6%増)
民間工事1兆4,465億9,600万円(前年同月比11.5%増)
2022暦年の総受注額16兆8,541億円(前年比4.9%増)

日本建設業連合会(日建連)が1月27日に発表した会員企業94社の2022年12月分の受注工事総額は1兆7,819億4,800万円(前年同月比6.6%増)となり、1ヵ月で1兆円台に戻る。前年同月比でも1ヵ月で増加となった。うち民間工事が1兆4,465億9,600万円(同11.5%増)となり、同1ヵ月で増加となった。官公庁工事が3,609億0,700万円(同9.4%増)となり、同1ヵ月で増加に転じた。
国内工事が1兆8,235億1,400万円(同11.9%増)となり、同1ヵ月で増加となった。民間工事の1兆4,465億9,600万円のうち、▽製造業が4,994億8,800万円(同138.2%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。▽非製造業が9,471億0,600万円(同12.9%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
官公庁工事の3,609億0,700万円のうち、▽国の機関が1,990億3,200万円(同4.8%増)となり、同2ヵ月連続増となった。▽地方の機関が1,618億7,500万円(同15.7%増)となり、同1ヵ月で増加となった。▽その他が160億1,100万円(同793.0%増)の大幅増となり、同4ヵ月連続増となった。▽海外工事がめずらしくマイナスの415億6,600万円(同198.3%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
22年度(4~12月)の受注工事総額が11兆4,643億8,600万円(前年同期比14.7%増)となり、うち▽民間工事額が8兆2,728億0,600万円(同15.5%増)、▽官公庁工事が2兆5,983億3,700万円(同0.7%増)、▽海外工事が5,323億9,000万円(同127.2%増)となった。
一方、22暦年(1~12月)の受注工事総額16兆8,541億1,900万円(前年比4.9%増)となり、うち▽民間工事額が12兆2,080億9,100万円(同8.5%増)、▽官公庁工事が3兆8,942億7,100万円(同10.8%減)、▽海外工事が6,832億7,900万円(同63.0%増)となった。
12月分の地域ブロック別の受注工事額は、▽北海道が515億3,500万円(前年同月比21.1%減)となり、前年同月比では2ヵ月連続減となった。▽東北が776億1,200万円(同0.3%増)の微増となり、同1ヵ月で増加となった。▽関東が7,254億3,800万円(同5.3%増)となり、同5ヵ月連続増となった。▽北陸が507億5,300万円(同31.7%減)となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。
▽中部が1,724億5,300万円(同33.0%増)となり、同2ヵ月連続増となった。▽近畿が3,253億5,200万円(同5.6%増)となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。▽中国が825億6,600万円(同58.7%増)となり、同1ヵ月で大幅増となった。▽四国が125億8,100万円(同72.3%減)の大幅減となり、同5ヵ月連続減となった。▽九州が3,252億1,800万円(同45.4%増)となり、同1ヵ月で大幅増に転じた。


12月粗鋼生産689.9万トン(前年同月比13.1%減)
11月普通鋼建築用48.2万トン(前年同月比3.4%減)

日本鉄鋼連盟は1月23日に発表した2022年12月の銑鉄生産は506.4万トン(前年同月比14.3%減)となり、前年同月比では12ヵ月連続減となった。粗鋼生産は689.9万トン(同13.1%減)となり、同12ヵ月連続の減少となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が508.6万トン(同14.4%減)となり、同12ヵ月連続減。▽電炉鋼が181.3万トン(同9.2%減)となり、同5ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が535.1万トン(同12.5%減)となり、12ヵ月連続減。▽特殊鋼が154.8万トン(同14.8%減)となり、同11ヵ月連続減となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は609.8万トン(同12.1%減)となり、同12ヵ月連続減となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は479.2万トン(同12.6%減)となり、同7ヵ月連続減となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は130.6万トン(同10.4%減)となり、同11ヵ月連続減となった。
一方、11月の普通鋼鋼材用途別受注量では、▽建築用が48万2,810トン(前年同月比3.4%減)。うち▽非住宅が32万4,296トン(同11.5%減)、▽住宅が15万8,514トン(同18.9%増)となった。
なお、22年度上期(4~11月)の普通鋼鋼材用途別受注量では、▽建築用が386万6,105トン(前年同期比4.3%減)。うち▽非住宅が281万8,027トン(同4.7%減)となり、▽住宅が104万8,078トン(同3.2%減)となった。


22暦年の粗鋼生産8,923.5万トン(前年比7.4%減)
前年比で2年ぶりの減少

日本鉄鋼連盟は1月23日に発表した2022年の銑鉄生産は6,414.7万トン(前年比8.8%減)となり、前年比では2年ぶりの減少となった。粗鋼生産は8,923.5万トン(同7.4%減)となり、同2年ぶりの減少となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が6,540.3万トン(同9.1%減)となり、同2年ぶりの減少。▽電炉鋼が2,383.2万トン(同2.3%減)となり、同2年ぶりの減少となった。粗鋼合計に占める電炉鋼の比率は26.7%と前年から1.4ポイント上昇した。
鋼種別では▽普通鋼が6,881.5万トン(同6.9%減)となり、同2年ぶりの減少。▽特殊鋼が2,042.0万トン(同8.9%減)となり、同2年ぶりの減少となった。熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は7,863.8万トン(同6.9%減)となり、同2年ぶりの減少となった。鋼種別にみると、▽普通鋼が6,174.8万トン(同6.3%減)となり、同2年ぶりの減少。▽特殊鋼は1,689.0万トン(同9.0%減)となり、同2年ぶりの減少となった。


11月溶接材料の出荷量1万8,250トン(前年同月比0.2%減)
22年度(4~11月)総出荷量14万0,254トン(前年同期比3.3%減)

日本溶接材料工業会が発表した2022年11月の溶接材料実績(生産・出荷・在庫)では、▽生産量は1万8,896トン(前年同月比1.3%減)の微減となり、前年同月比では4ヵ月ぶりの減少となった。▽出荷量では1万8,250トン(同0.2%減)の微減となり、同2ヵ月連続減となった。▽在庫量は1万7,523トン(同9.7%増)となり、同9ヵ月連続増となった。
生産量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が7,734トン(同2.4%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が6,364トン(同0.4%減)の微減となり、同3ヵ月連続減。▽被覆アーク溶接棒が2,268トン(同6.2%減)となり、同8ヵ月連続減。その他を含む生産量計では1万8,896トン(同1.3%減)となった。
出荷量の主な品種は▽SWが7,630トン(同2.3%増)となり、同8ヵ月ぶりの増加。▽FCWが5,821トン(同1.9%減)となり、同4ヵ月連続減。▽溶接棒が2,378トン(同3.6%増)となり、同3ヵ月連続増加。その他を含む出荷量計では1万8,250トン(同0.2%減)となった。
在庫量の主な品種は▽SWが6,773トン(同20.1%増)となり、同10ヵ月連続増。▽FCWが6,378トン(同13.6%増)となり、同4ヵ月連続増。▽溶接棒が2,371トン(同19.6%減)となり、同3ヵ月連続減。その他を含む在庫量計では1万7,532トン(同9.7%増)となった。
22年度(4~11月)の総生産量は14万0,355トン(前年同期比2.5%減)となり、総出荷量では14万0,254トン(同3.3%減)となった。一方、22暦年(1~11月)の総生産量は19万5,359トン(前年同期比0.7%増)となり、総出荷量は19万3,449トン(同1.4%減)となった。
なお、財務省の貿易統計による11月の輸出量は3,134トン(前年同月比1.0%増)となり、輸入量は7,101トン(同0.8%減)となった。

21年11月-22年11月 溶接材料月別実績表

生産量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
11 7,922 5.2 6,390 9.1 2,419 31.1 19,137 9.8
12 7,490 12.9 6,017 13.6 2,396 44.3 18,249 14.0
2022暦年 1 7,060 17.1 4,866 ▼9.0 2,141 18.7 16,564 7.4
2 7,592 12.0 6,011 6.5 2,236 12.8 18,387 8.9
3 8,376 13.6 7,162 23.7 2,339 8.4 20,053 12.6
2022年度 4 7,017 ▼5.5 5,910 ▼2.3 1,839 ▼14.3 16,997 ▼7.1
5 7,022 ▼4.2 5,245 ▼1.1 1,648 ▼17.4 16,178 ▼4.4
6 7,432 ▼6.5 6,208 ▼4.3 1,894 ▼22.1 18,139 ▼5.9
7 7,347 ▼4.4 5,451 ▼7.0 1,994 ▼10.1 17,444 ▼3.0
8 5,788 ▼9.2 5,357 16.8 1,938 ▼19.5 15,415 0.3
9 7,657 1.9 5,777 ▼5.8 2,155 ▼10.4 18,202 0.3
10 8,130 3.9 6,078 ▼5.5 2,154 ▼12.8 19,084 1.5
11 7,734 ▼2.4 6,364 ▼0.4 2,268 ▼6.2 18,896 ▼1.3
2022年度
(4~11月)
58,127 ▼3.2 46,390 ▼1.8 15,890 ▼14.1 140,355 ▼2.5
2022暦年
(1~11月)
81,155 1.2 64,429 0.6 22,606 ▼7.5 195,359 0.7

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

出荷量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
11 7,460 4.0 5,935 0.1 2,295 26.5 18,290 6.3
12 7,738 8.3 6,220 10.8 2,348 22.4 18,614 9.4
2022暦年 1 7,271 4.9 5,540 ▼5.8 2,069 12.6 17,387 2.0
2 7,039 2.8 5,951 4.6 2,121 6.7 17,544 4.1
3 7,915 8.9 6,149 13.8 1,845 ▼3.3 18,264 5.7
2022年度 4 7,190 ▼20.1 5,633 ▼14.1 1,883 ▼24.6 16,806 ▼14.7
5 6,796 ▼2.0 5,521 ▼5.9 1,881 ▼12.3 16,289 ▼4.3
6 7,330 ▼8.2 5,693 ▼10.2 2,366 6.8 18,000 ▼5.2
7 6,903 ▼6.1 5,984 7.7 1,977 ▼5.9 17,498 1.9
8 6,360 ▼6.9 5,503 ▼0.6 2,154 ▼8.1 16,497 ▼2.2
9 8,005 ▼2.7 5,948 ▼1.9 2,372 10.1 18,991 0.9
10 7,335 ▼0.6 5,722 ▼9.5 2,186 7.9 17,923 ▼1.0
11 7,630 2.3 5,821 ▼1.9 2,378 3.6 18,250 ▼0.2
2022年度
(4~11月)
57,549 ▼4.4 45,825 ▼4.9 17,197 ▼5.1 140,254 ▼3.3
2022暦年
(1~11月)
79,774 ▼1.8 63,465 ▼2.6 23,232 ▼2.6 193,449 ▼1.4

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

日本溶接材料工業会

 

【建築プロジェクト】
「赤坂二・六丁目地区開発」の東棟を鹿島/西棟は大林組
S造・SRC造の東棟40階/西棟19階建て

東京メトロ・千代田線赤坂駅に直結する位置にある「国際新赤坂東ビル・西ビル」の2棟を建て替える「赤坂二・六丁目地区開発計画」(港区赤坂2-14ほか、敷地面積1万4,200平方メートル)は、三菱地所とTBSホールディングスによって計画され、国家戦略都市計画建築物等整備事業の認定を受けて、今年11月に着工する。この開発計画は東街区に超高層ビル、西街区には高層ビルの2棟構成となる。
開発計画東街区(東棟)の地上40階建て、延べ床面積約17万平方メートルを鹿島が担当し、同西街区(西棟)の地上19階建て、延べ床面積約4万平方メートルを大林組が担当する。2棟とも11月に着工し、西棟は28年4月に完成し、東棟は同11月の完成となる。設計は2棟とも三菱地所設計が担当している。
解体される東街区の「国際新赤坂ビル東館」は地下3階・地上24階・塔屋1層建て、延べ床面積約4万7,863平方メートル。西街区の「同西館」は地下3階・地上18階・塔屋1層建て、同3万3,298平方メートルは大林組によって進められている。
建設される東棟規模は、S造・SRC造、地下4階・地上40階・塔屋1層建て、延べ床面積約16万9,500万平方メートル、高さ約220メートルの超高層ビルを整備する。主な用途はオフィスで、低層部に商業施設を配置する。赤坂に集積するエンターテインメント関連企業が、ベンチャーとの連携を深めるインキュベーション施設も設ける。
西棟も、S造・SRC造、地下3階・地上19階・塔屋1階建て、同3万8,500平方メートルを建設する。高さは約110メートル。低層部に約1万1,000平方メートルの劇場・ホール(1~6階)を配置し、中高層部(7~18階)には約1万2,000平方メートルのホテルを設ける。
東京メトロと連携し、赤坂駅との回遊性を高める。両ビルの地下2階から地上部にかけては、駅に直結する約4900平方メートルの広場空間を整備。定期的にイベントを開催し、にぎわいを創出する。21年11月には国家戦略特別区域計画の認定を受けている。


【時論・公論】
雇用均等法と女性進出への環境づくり

「男女雇用機会均等法(均等法)」は経済界や労働組合界から厳しい注目を浴びながら1985年に成立し、86年に施行された。97年に全面改正(99年施行)したものの、2006年再改定され、更に16年改正(17年施行)と再三にわたって見直されてきたが、女性に対する雇用平等の浸透と待遇改善はおぼつか無いのが現状である。
昨年7月の「世界経済フォーラム」で発表した<ジェンダーギャップ指数>では、日本は146ヵ国中116位となっており、政治分野139位、経済分野121位と順位を下げている。女性就業者率(51.8%)が伸びたものの、管理職者率(13.3%)と低迷し、賃金格差も旧態依然のまま、日本の社会は<男尊女卑>から脱却できていない。
女性登用では建設業界は早い方である。日本建築業連合会(日建連)ホームページ(HP)によると、14年3月に男性のみの職場を<女性への門戸 を開き>、雇用均等法に沿った技能・技術促進、多様性尊重を推進する「けんせつ小町」と銘打って、女性が建設業界で活躍することを促進している。日建連HP「けんせつ小町」欄では<けんせつ小町ニュース>、<けんせつ小町チャンネル>の情報によって、多くの実務実態が紹介されている。
そのHPによると建設現場で働く女性技能者は、鉄筋・内装仕上げ・配管・左官・バックホウオペレーター・重機オペレーター・スリーブ・ダンプ運転手・鳶工・大工・コンクリート圧送など男性と変わりない。また、技術者は建築・土木設計者・実験研究者・IT技術者・都市開発者・事務職など多岐の職種にわたっている。なお、女性技術者の就業者比率は01年の1.8%から20年の7.9%と4.4倍に伸び、女性事務職も38.9%を占めるようになっている。
一方、鉄骨ファブリケーター業界での女性進出はどうだろうか。81年に施行された大臣認定工場制度以来、評価基準の必須点である「鉄骨製作管理技術者」「建築鉄骨検査技術者(製品・超音波)」など技能者・技術者を確保するため、女性技術者が多く誕生するようになった。また、JIS溶接技能者にも女性が参入するようになった。
女性が建設現場や鉄骨製作工場で働くことは、体力的に過酷であるだけでなく、作業環境や人的配慮が必須条件だ。既婚者であれば出産や家事育児の問題もあり、男性同等の出勤率や長時間勤務も難しい。昨今、ますます慢性的な人手不足もあり、CADやBIMオペレーター、溶接ロボット技能者の分野にも女性が増えてきている。
均等法施行36年経った去年<自衛官のセクハラ事件>が明るみになった。このような事件や差別があっては女性進出が削がれる。建設現場に携わる女性技能者・技術者には十分な待遇改善と環境づくりが欠かせない。
【加藤 文雄】