スノウチニュース<№176> 令和元年6月

【鉄骨需要月別統計】
4月鉄骨需要量40万1,900トン(前年同月比8.4%減)
S造は39万1,900トン、SRC造は1万トン

国土交通省が5月31日発表した「建築物着工統計調査」の2019年4月着工総面積は11,222千平方メ―トル(前年同月比4.4%減)の前年同月比3ヵ月連続減となる。4ヵ月ぶりの10,000千平方メートル超えとなった。

▽建築主別は、公共建築物が585千平方メートル(同4.7%減)となり、同4ヵ月連続減。民間建築物は10,637千平方メートル(同4.3%減)となり、同1ヵ月で減少に転じた。4ヵ月ぶりの10,000万平方メートル越えに。

▽用途別は、居住建築物は6,783千平方メートル(同4.6%減)となり、同5ヵ月ぶりに減少となった。非居住建築物は4,440千平方メートル(同4.0%減)となり、同3ヵ月連続減となった。

▽構造別は、鉄骨建築のS造は3,919千平方メートル(同9.3%減)となり、同2ヵ月連続減となった。SRC造は200千平方メートル(同49.9%増)となり、同4ヵ月ぶりの増加となった。RC造は2,155千平方メートル(同13.7%減)となり、同1ヵ月で減少に転じた。W造は4,869千平方メートル(同4.1%増)となり、同3ヵ月連続増となった。

▽鉄骨需要換算では、S造は39万1,900トンとなり、5ヵ月連続で40万トンを割った。SRC造は10,000トンとなった。鉄骨造計では前年同月比8.4%減の40万1,900トンとなり、前月比では17.1%増となり、同4ヵ月ぶりの40万トン台となった。

18年4月-19年4月 鉄骨需要量の推移

S 造 前年比 SRC造 前年比 鉄骨造合計
18/4 432,300 -0.7 6,650 -31.6 438,950
5 427,500 -1.9 8,200 -6.8 435,700
6 471,200 -1.7 1,800 -80.9 473,000
7 472,400 8.8 13,000 20.3 485,400
8 438,500 -4.6 1,500 -84.5 440,000
9 425,300 -3.6 5,900 -33.2 431,200
10 440,200 7.3 9,950 -19.1 450,150
11 412,200 -8.9 4,100 -68.1 416,300
12 392,600 7.5 7,650 20.9 400,250
19/1 377,900 -4.6 3,200 -45.4 381,100
2 376,200 1.8 6,650 -80.5 382,850
3 338,500 -18.6 4,600 -56.5 343,100
4 391,900 -9.3 10,000 49.9 401,900

(国土交通省調べ)

 

【建築関連統計】
日建連4月受注額約7,748億円(前年同月比26.2%減)
民間受注量5,934億円(同18.0%減)

日本建設業連合会(日建連)が5月27日に発表した会員企業97社の2019年4月受注工事総額は7,738億2,300万円(前年同月比26.2%減)の大幅減となり、前年同月比では1ヵ月で減少に転じた。うち民間工事は5,934億8,200万円(同18.0%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少となった。官公庁工事は1,661億1,700万円(同44.2%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少に転じた。

国内工事は7,599億7,400万円(同25.6%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少に転じた。民間工事の5,934億8,200万円のうち、▽製造業が1,287億3,300万円(同5.8%増)となり、同2ヵ月連続増となり、▽非製造業は4,647億4,900万円(同22.7%減)の大幅減となり、同5ヵ月目で減少となった。

官公庁工事の1,661億1,700万円のうち、▽国の機関が1,019億3,300万円(同60.5%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少となり、▽地方の機関は641億8,400万円(同60.1%増)の大幅増となり、同4ヵ月連続増となった。▽その他が3億7,500万円(同21.1%減)となり、同4ヵ月連続減となった。▽海外工事は148億4,900万円(同48.3%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少に転じた。

一方、19年4月分の地域ブロック別受注工事額は、▽北海道595億6,200万円(前年同月比11.3%減)となり、前年同期比では5ヵ月目で減少となる。▽東北642億5,600万円(同70.0%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少となる。▽関東3,855億6,500万円(同5.3%減)となり、同4ヵ月目で減少となる。▽北陸199億3,700万円(同24.8%減)となり、同3ヵ月連続減となった。

▽中部625億5,300万円(同17.4%減)となり、同5ヵ月目で減少となる。▽近畿782億3,700万円(同39.3%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少に転じた。▽中国187億5,400万円(同22.4%減)の大幅減となり、同7ヵ月目で減少となる。▽四国175億3,100万円(同10.2%減)となり、同1ヵ月で減少に転じた。▽九州535億7,800万円(同8.4%減)となり、同1ヵ月で減少に転じた。

19年4月の粗鋼生産は865.7万トン(前年同月比0.8減)
3月の普通鋼鋼材建築用57.9万トン(前年同月比7.1%減)

日本鉄鋼連盟が5月23日に発表した2019年4月の鉄鋼生産は、銑鉄生産は644.9万トン(前年同月比1.8%増)となり、前年同月比で8ヵ月ぶりの増加となった。粗鋼生産は864.7万トン(同0.8%減)となり、同8ヵ月連続減となった。

炉別生産では、▽転炉鋼が649.0万トン(同0.6%増)の同2ヵ月連続増となり、▽電炉鋼が215.7万トン(同4.9%減)の同2ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が660.2万トン(同0.2%増)の同2ヵ月連続増となり、▽特殊鋼が204.5万トン(同3.8%減)の同5ヵ月連続減となった。

▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は750.2万トン(同2.1%減)の同10ヵ月連続減となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は588.8万トン(同0.6%減)の同5ヵ月連続減となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は161.4万トン(同7.2%減)の同4ヵ月連続減となった。

3月の普通鋼鋼材用途別受注量による▽建築用が57万9,066トン(前年同月比7.1%減)となった。うち▽非住宅用が39万4,798トン(同13.4%減)、▽住宅用が18万4,268トン(同10.3%増)となった。

2018年度の合計では、▽建築用が649万2,537トン(前年同期比0.3%減)となり、▽非住宅用が455万2,985トン(同0.7%減)、▽住宅用が193万9,552トン(同0.8%増)となった。

19年3月溶接材料の出荷量2万1,729トン(前年同月比2.1%増)
18年度の出荷量24万9,998トン(前年比0.4%減)

日本溶接材料工業会が発表した2019年3月の溶接材料生産・出荷・在庫実績によると、生産量は2万2,168トン(前年同月比2.0%増)の6ヵ月連続増となった。出荷量は2万1,729トン(同2.1%増)となり、同6ヵ月連続増となった。在庫量は1万7,781トン(同0.9%増)となり、同2ヵ月連続増となった。

生産量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)は9,389トン(前年同月比6.6%増)となり、前年同月比6ヵ月連続増となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,432トン(同0.4%減)となり、同2ヵ月で減少に転じた。▽被覆アーク溶接棒は2,346トン(同14.6%減)となり、同3ヵ月で減少となった。その他を含む生産量計は2万2,168トン(同2.0%増)となり、同6ヵ月連続増となった。

出荷量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が8,928トン(同6.4%増)となり、同6ヵ月連続増となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,436トン(同1.0%増)となり、同1ヵ月で増加に転じた。▽被覆アーク溶接棒は2,437トン(同9.4%減)となり、同2ヵ月連続減となった。その他を含む出荷量計は2万1,729トン(同2.1%増)となり、同6ヵ月連続増となった。

在庫量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が4,597トン(同2.4%減)となり、同26ヵ月連続減となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は6,991トン(同2.4%増)となり、同2ヵ月連続増となった。▽被覆アーク溶接棒は3,002トン(同8.5%減)となり、同6ヵ月連続減となった。その他を含む出荷量計は1万7,781トン(同0.9%増)となり、同2ヵ月連続増となった。

18年度の生産量が25万0,156トン(前年同期比0.2%減)の微減となった。主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が10万0,169トン(同3.4%増)▽フラックス入りワイヤ(FCW)が8万6,033トン(同2.6%減)▽被覆アーク溶接棒が2万7,549トン(同8.2%減)となった。

出荷量が24万9,998トン(同0.4%減)の微減となり、主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が10万0,283トン(同2.0%増)▽フラックス入りワイヤ(FCW)が8万5,859トン(同1.9%減)▽被覆アーク溶接棒が2万7,829トン(同6.6%減)となった。

溶接技能者は25万4,491人
受験者に外国人・女性が増加傾向

溶接技能者などの人手不足が深刻化しているなか、このほど日本溶接協会・全国指定機関委員会が発表した18年度溶接技能者認証(WO)の実技受験者は10万8,933人(前年度比1.1%減)と微減するものの、12年連続で10万人の大台をキープし、18年度の同資格合格者は8万4,478人(同0.2%減)となった。

溶接技能資格者は3年ごとの更新となるが、最近3年間の合格者の合計は25万4,491人(複数資格を含む)となった。過去10年のJIS検定の推移をみると受験者は10万人から11万人台前半で推移しており、18年度も堅調な数値を示した。また、女性受験者の割合は09年度が304人(受験者全体の0.3%)から18年度が792人(同0.7%)となり、毎年上昇する傾向にある。

さらに、外国人技能評価試験の受験者数は1万4,594人、合格者数1万0,486人だった。全体の受験者の1割以上を外国人受験者が占めた。WEB申請は、受験申請の流れやシステム開発のスケジュールが表示され、個人や企業が専用のマイページを登録し、検定の申し込みや更新手続きがWEB上で行えるようになっている。

18年から開始した溶接技能者教育事業は、これまで千葉、静岡、神奈川、宮崎、栃木、群馬県で29回の学科講習が行われ、合計で449人が受講した。学科講習終了後の修得確認試験に合格をすると、JIS検定学科試験が3年間免除される。これまでの日本人受講者の試験合格率は98.9%と高い値となっている。(引用文献:「溶接ニュース」5月28日付)

 

【建築プロジェクト】
中外製薬 横浜研究拠点プロジェクト(横浜・戸塚区)
S造・9階など、総延床面積15.3万平米、8月着工

中外製薬は「中外製薬横浜研究拠点プロジェクト」の建設計画を発表した。同プロジェクトは、16年3月に日立製作所から取得した事業用地(約17万平方メートル)に、総延べ面積約15万4,000平方メートルの研究施設を整備する。新薬開発などを行う自然科学研究所と位置付ける。

建設規模は、▽西側敷地研究施設(戸塚区戸塚町字三ノ区216-1ほか、敷地約8万5,200平方メートル)には、S造・地下1階・地上9階建て(高さ31メートル)のエントランス棟・研究棟を中心に付属棟(S造・RC造の管理、倉庫、警備棟など)を含め、総延べ床面積約13万9,000平方メートルの研究拠点施設を建設する。

柏尾川の対岸に建設する▽東側敷地研究施設(戸塚区上倉田町堀内前79-1ほか、同約8万4,100平方メートル)は、S造・地上5階建ての研究棟のほか、福利厚生棟のほか付属棟(S造・RC造・W造の倉庫、警備、水処理棟など)を含め、同1万3,000平方メートルとなる。設計は日本設計、施工は鹿島が担当。着工は19年8月、完成は22年8月完成予定としている。

なお、同研究施設は河川を挟んで西・東に分かれており、川の横断には歩行専用の橋梁も整備する。東側敷地には将来の増設を見込んで建築用地を残している。また、計画地周辺は横浜市都市計画マスタープランの戸塚区プランで産業集積地区に位置付けられている。横浜市の「ライフサイエンス都市・横浜」の施策に沿って、新薬を生み出すための先端的研究開発拠点づくりを目指すとしている。

 

【雑論・正論】
がんの生存率は高まっている

癌(がん)は2人に1人がなる時代で、しかも本人に<告知>する。心臓を除く、全ての臓器や血液、皮膚などを侵す病であるが、今ではがんは<不治の病>でなくなり、医学技術の進歩もあって<生存率>が高まっている。

国立がん研究センターが発表したがん生存率は、2002~05年にがんと診断された人の10年後の生存率は56.3%で、前年比0.8ポイント増えた。また、08~10年に診断された人の5年後の生存率は67.9%だった。

小生は50歳を目前の91年3月22日、都内の<早期胃癌検診協会附属クリニック>での内視鏡検査などの結果、「胃上部の腫瘍部7ヵ所の組織から3ヵ所にがんがあり、筋層下層まで進行している」と胃がんと告知された。

当時はがんの告知は家族に知らされていが、胃癌検診協だけにいとも簡単に本人への告知だった。その時は「なぜ俺が、がんに~」と茫然自失になるも、検査医師が勧める都内の有名病院を断わり、検査カルテと紹介状を頂き、自宅近くの総合病院に入院。再度の放射線・内視鏡・CT・UTなどの検査を経て4月2日が執刀日となった。

7時間近い手術が終え、集中治療室(ICU)の看護師さんから名前を呼ばれ覚醒。ICU室で妻と2人の娘が眩しく見えた。そして手術の成功を聞き安堵するが、「胃がこんなに大きいと思わなかった」と妻の話で、<胃の全摘>を知る。事前に執刀医師から全摘と聞かされず、勝手に腫瘍部のみを切除するものと思っていた。翌日からリハビリとなり、点滴スタンドを握り病棟の廊下を歩き周り、足・腰の筋肉や内臓機能を活発化させる歩行運動である。

全摘の説明では、「胃下部は胃酸が分泌するので部分的に残せない。中央から上部にある腫瘍はほぼ全摘」と言われ納得したものの、30代のころ健康診断で<胃拡張>と診断され、バリウム検査で大きな胃の映像で知った。あの胃袋が全摘され、小腸でつくったバイパスが代替えになった。胃がない消化・吸収への不安は大きかった。

入院中は抗がん剤や栄養分を点滴で補いながらの食事療法となる。ダンピング症状(逆流)や低血糖などに苦しむが、同室に全摘の2歳若いホテルマンがいて情報交換などで心強かった。5月13日退院。1日5回の食事でも体重は25キロも軽くなる。「体重減は心配ない。心臓に負担がかからなくていいですよ」と医師から励まされる。

自宅療養は診察・抗がん剤投与の通院などで2ヵ月ほど。そして職場復帰では会社・職場の理解もあり、7月から時差出勤し、9月から通常勤務となる。とは言え、体力・精神面では元には戻らず幾つもの試練に直面してきた。がん体験者の教訓としては、40代になったら億劫がらずに年1回の血液検査による<がん健診>は必須ですよ。

【加藤 文雄】