株式会社スノウチ
*スノウチニュースは毎月1日発行です。
編集内容は [1] プロジェクト情報(鉄骨物件)、[2] 鉄骨市況(傾向分析)、[3]あれこれ(話題)等で構成します。
     
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「スノウチニュース」No.150
平成29年5月号

 
   
 

【鉄骨需要月別統計】
3月は34万4,650トン(前年同月比4.4%減)
16年度は510万1,350トン(前年比2.7%増)

 
     
 

 国土交通省が4月28日発表した「建築物着工統計調査」の2017年3月着工総面積合計は9,782千平方メ―トル(前年同月比6.8%減)の前年同月比で8ヵ月ぶりに減少で、15ヵ月ぶりの1千万平方メートルを割った。
 ▽建築主別では、公共建築物が482千平方メートル(同7.3%減)の同2ヵ月連続減となった。民間建築物は9,300千平方メートル(同6.8%減)と同8ヵ月ぶりの減少で、2ヵ月連続で1千万平方メートルを割った。
 ▽用途別では、居住建築物(マンション・住宅など)は6,266千平方メートル(同3.2%減)と、同2ヵ月連続減。非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は3,516千平方メートル(同12.5%減)と8ヵ月ぶりの2桁減となった。
 ▽構造別では、鉄骨系のS造が3,392千平方メートル(同1.9%減)と同8ヵ月ぶりの減少。SRC造は109千平方メートル(同63.0%減)と6ヵ月ぶりの減少。一方、RC造は1,947平方メートル(同12.7%減)の同2ヵ月連続減となり、W造は4,273千平方メートル(同0.5%減)の同15ヵ月ぶりの減少となった。
 ▽鉄骨需要換算では、S造が33万9,200トン、SRC造は5,450トンの計34万4,650トン(前年同月比4.4%減)の8ヵ月ぶりに40万トン台を割り、前月比では18.6%の減少となった。
 16年度(4月〜17年3月)累計では510万1,350トン(前年同期比2.7増)となっている。S造は499万5,200トン(同3.4%増)と微増で、SRC造は10万6,150トン(同22.2%減)と大幅減なった。

16年3月−17年3月 鉄骨需要量の推移

年/月S造前年比SRC造前年比鉄骨造合計
16/3 345,800 -3.2 14,700 -10.1 360,500
4 355,900 −17.9 10,400 ‐60.4 366,300
5 467,400 14.6 17,450 348.6 484,850
6 455,700 1.0 9,550 96.1 465,250
7 391,000 -13.4 4,350 ‐82.3 395,350
8 495,400 18.4 2,400 ‐60.7 497,800
9 439,900 7.4 9,000 92.5 448,900
10 401,400 0.2 5,700 -61.0 407,100
11 415,400 4.5 3,250 -15.7 418,650
12 407,600 7.6 8,700 -41.0 416,300
(国土交通省調べ)
 
   
 

【鉄骨業界展望】

 
     
 

鉄骨溶接ロボット普及・稼働率の状況
日溶協・ロボット溶接研究委員会調査

 建築鉄骨の製作に溶接ロボットが欠かせない。この現況を日本溶接協会(日溶協)のロボット溶接研究委員会が2015年度の活動として「建築鉄骨溶接ロボットの利用状況」調査を行った。調査対象は全国の大臣認定工場取得の鉄骨ファブリケーター(S、H、M、R、Jクレード)のうち600社に溶接ロボットの適用状況アンケートを実施し、255社(回答率42.5%)の利用状況を得て、その調査・分析報告が16年10月に公表した。以下、同調査引用と鉄骨ファブの現況と合わせ、溶接ロボットの普及率・稼働率などについて検証してみた。

 溶接ロボットを鉄骨ファブが導入したのは1980年に入ってからである。83年に日溶協・ロボット溶接研究委員会が大手ファブの鉄骨建設業協会の会員を対象にした調査では、溶接ロボットは大組立溶接から簡易型なものを含め6工場の11台と少なく、どの工場も実験的なものであった。80年代の中ごろには鉄骨溶接ロボットの開発が相次ぎ、5軸・6軸の多関節型や可搬式・門式の直角座標型ロボットが鉄骨ファブで導入され、ロボット性能向上と溶接効率などのメリットと慢性的なベテラン溶接技能者の不足と相まって急速的に普及していくことになる。
 ロボット溶接の発展は乗用車生産ラインでの多関節型のスポット溶接が原点になる。ロボットメーカーの競合や技術革新がアーク溶接のロボット化となり、建機・造船・車両などの分野にも拡大する中で、鉄骨溶接のロボット化へとつながる。溶接ロボットの普及により溶接施工から鉄骨生産への技術革新は日進月歩で深化してきている。
 鉄骨溶接のロボット化を促進した背景には冷間成形角形鋼管(コラム)の普及にある。80年代後半には多関節型や直交座標型ロボットによるコラム柱のダイアフラム溶接(サイコロ)に多用された。鉄骨ファブの溶接技能者不足を補うだけでなく、▽ロボット制御・センサー機能の向上、▽溶接電源・溶接ワイヤの高性能化、▽コラム・H形構造の標準ディテール化、▽組立て精度の向上、▽セラミックス系エンドタブタブの普及など、さまざまな要因によりロボット化をバックアップしてきた。

 鉄骨工事とは、鉄骨製品を工事現場渡し完了する物件と、鉄骨の建て方施工まで従事する物件に分類される。前者はとび工事業者、現場溶接業者が請け負う分業制となっているが、小規模物件に限って、建て方・現場溶接を含め鉄骨ファブが受注するケースも残っているものの、減少傾向にある。現在は、建て方はとび工事業者(日本鳶工業連合会)、現場溶接業者(AW検定協議会の認定資格保持業者)との分業化が進んでいる。
 鉄骨製品は、工事現場渡しのため納期・工期が厳守される。さらに製品の基準性能、要求品質が求められ、物件ごとの受注製作である。また、同一物件を複数ファブによる共同受注でも品質に遜色なく供給でき、精度など品質が統一されていなければならない。そうした意味では、PCa・PCメーカー(プレキャスト・プレストレストコンクリート建設業協会)と同じである。現場作業主体の鉄筋・型枠・とび工事などの職種と異なる独立した生産製品である。
 かつて関西の著名な構造設計家(故人)が「鉄骨ファブは大小にかかわらず多すぎる。統廃合し、全国に300社ほどに集約すれば、住宅プレハブ業界並の立派な業界になれる」との持論を提言したが、関西支部の全構連指導者は「(構成会員5,000社)数は力」と一蹴し、員外意見と異なる護送船団的な考え方が主流であった。
 鉄骨工事業界として確立するには幾つかのハードルを越えなければならない。まず全構協と鉄骨建設業協会との統合問題である。次に受注体制を強化するためM&A(合併・吸収)や協業・提携化など統合化を図る。さらに、(日本建築学会規準とは別の)鉄骨業界独自の品質基準や品質保証(保障)制度をつくる。鉄骨建て方工事をとび工事業者との明確な区分け。見積もりや取引契約(清算・支払い)の条件などさまざまな問題をクリアすること。
 ともあれ、受注物件ながら鉄骨製品化は加速している。全構協を中心とし、この機を逃さず、エポックメーキング(画期的)な組織改革を成し、鉄骨工事業として自主・自立できることに期待したい。

 さて、日溶協・ロボット溶接研究委員会調査について。まず、▽回答255社のグレードをみると、Sグレード7社(全体の2.7%)、Hグレード78社(30.6%)、Mグレード122社(47.8%)、Rグレード36社(14.1%)、Jグレード12社(4.7%)である。2015年当時の大臣認定工場数は2,068工場のため12%であるものの、グレード別構成比としては鉄骨需給状況に合致した比率ともいえる。
 ▽グレード別導入率では、Sグレード100%(1社平均8.3台)、Hグレード98%(同4.1台)、Mグレード68%(同1.7台)、Rグレード20%(同0.9台)、Jグレード30%(同8.8台)となっている。Jグレードの導入台数(簡易型であっても)が異常に高いのが予想外である。グレード全体では3.2台となっている。グレード別導入率を全国認定工場数2,068社(15年度現在)で換算すれば4,315台となり、1社に平均2.1台となる。
 ▽ロボット稼働状況では、Sグレードが75%以上の稼働率が約4割を占め、50〜75%が2割弱、25〜50%が3割、25%以下が1割強となる。Hグレードでは75%以上が4割、50〜75%が3割、25〜50%が2割、25%以下が1割となっている。S・Hグレードとも稼働率は高い。Mグレードは4割が25〜50%、2割強が25%以下。Rグレードも6割が25%以下と大きく減少する。Jグレードは5割が75%以上とS・H並みの高い稼働率である。
 ▽ロボット導入目的では、全体での1位は「溶接工程の短縮」、2位は「溶接コストの削減」、3位は「溶接品質の安定・均一化」、4位は「溶接技能者不足対策」、5位は「溶接品質の向上」、6位は「生産量の拡大」となる。全グレードとも1位が溶接工程の短縮となる。だが、2位ではSグレードでは生産量の拡大であり、Hグレードは溶接品質の安定・均一化となる。また、M・Rグレードは溶接品質の向上となる。3位ではS・Hグレードとも溶接コストの削減となり、M・Rグレードとも溶接技能者不足対策である。グレードにより導入目的が若干変わっている。
 ▽ロボット適用する溶接継手部位は、ダイアフラム周溶接が圧倒的に多い。次いで仕口ブラケットのフランジ溶接やSRC柱及びH柱のフランジ溶接と、コラムの内ダイアフラム溶接となる。また、▽ロボット施工における注意点では、組み立て精度、組み立て溶接、日常のメンテナンス、溶接前のセンシング、風対策、スパッタ―防止剤、溶接後の確認と次溶接へのフィードバックなどとなっている。
 ▽オペレーター1人が扱うロボット台数はグレード全体の平均2台である。Sグレードでは3.4台、Hグレードでは2.3台、Mグレードでは1.7台、Rグレードでは1.4台、Jグレードでは2.3台となる。また、▽日溶協・建築鉄骨ロボット溶接オペレーター認証制度の認知度では、Sグレード10割が熟知している。Hクレード9割強となり、Mグレード6割弱、R・Jグレード2割弱と、規模が小さくなるにしたがって、認知度も低く、同制度の資格取得者も少なくなっている。

 ここからは検証である。大型プロジェクトに対応する月産3,000トンクラスのS・Hグレード工場には、大組立て用溶接ロボット4〜6台し、ほかにコラムダイアフラム溶接用などの単体ロボットを含めると10〜13台保有し、溶接施工の50%超をロボット化されている。また、溶接ロボット価格は直交座標型で500〜600万円台の可搬式なものから大組立て用の多関節複数トーチロボットシステムでは3,000〜4,000万円台まであり、さらに特注ロボットシステムであれば納期は1年以上となる。イニシアルコストとランニングコストの問題もあるが、ロボットの導入を計画している鉄骨ファブにとって日溶協・ロボット溶接研究委員会の利用状況調査は貴重な資料である。
 週休二日、残業制限など長時間労働是正による働き方改革を実施するには溶接ロボット導入がますます増える傾向にある。Hグレードでは「柱組立て溶接を夜間通して3基のロボットがフル稼働させている」や、「溶接ロボットの操作スタッフで募集したら随分と集まった」と若年層にロボットは好評のようだ。Mグレードでも「受注に際しては、ロボットの稼働率を上げられる物件を優先させている」。また、「ロボットを導入以来、溶接技能者の技量が向上した」など、生産性の効率や従業員に対する好影響など職場環境は一変してきている。
 溶接施工のロボット化は、建て方現場溶接での柱継ぎ手、梁仕口フランジなどでも利用されて久しいが、ここにきて大手ゼネコンではAW検定現場溶接技能者不足をカバーするため、溶接ロボットメーカーと共同開発による現場溶接ロボットに置き換えるなど、再び現場溶接のロボット化に取り組んでいる。ゼネコン構造技術者は「とにかく鉄骨溶接のロボット化は必須である。工場であり、工事現場であれ、どこまでも深化し、溶接効率を上げていく」と述べ、「AW検定ロボット溶接オペレーター資格制度の周知と拡充につなげたい」と語っている。

最後に、溶接ロボットの利用状況のデータをまとめるには、国土交通大臣指定性能評価機関の日本鉄骨評価センター、全国鉄骨評価機構の工場審査(製造設備、管理者・技術者・技能者名簿)によって、実際の状況が把握できるはずである。鉄骨建設業協会、全国鉄構工業協会による分析に期待したい。
なお、日溶協・ロボット溶接研究委員会の利用状況は前述のほか、さまざまな項目にわたっている。詳細は月刊誌の『鉄構技術』(鋼構造出版発行)3月号「建築鉄骨溶接ロボットの利用状況の調査」(59〜67ページ)に掲載されているので参照されたい。

鋼材の流通情報を網羅した「建築構造用鋼材便覧」
鉄骨団体の鉄建協・全構協が発刊

 建築鉄骨鋼材は建築用途によって材質・形状が使い分けられる。かつてはSS400材(一般構造用圧延鋼材)やSM490材(溶接構造用圧延鋼材)の鋼種でしたが、1988年に電炉鋼材のダイアフラム(SM490材)が溶接後に開裂した事例から大きな問題となり、94年に新JISの建築構造用圧延鋼材SN材が誕生するなど鉄骨鋼材は建築構造物によって多種多様であり、またその手配・納入までに多くの労力や時間を要する。
 SN材により鋼種の間違いなどが減少したものの、鉄骨建築の大規模化や高層化などにより高級鋼のTMCP材や高性能鋼のSA材など大臣認定の建築構造用鋼材などさまざまな鋼種によって鉄骨製品が製作されているようになると鋼材手配の複雑化につながり、鉄骨ファブリケーターの悩みでもある。
 鋼材手配は主に商社・特約店との取引となり、在庫品もしくはロール発注品の発注になるが、鋼種・形状・サイズ・数量などもあり、納入までの時間がかかることやミルメーカーのロールタイミングもあり、鉄骨ファブにとって鋼材手配が製作期間に影響を及ぼし、構造設計者らの材料検査日の調整にも苦労する。
 こうした問題を軽減するため、鉄骨ファブ団体の鉄骨建築業協会(鉄建協)、全国鉄構工業協会(全構協)が共同編集した「建築構造用鋼材便覧」(鋼材の流通情報を網羅)を発刊し、好評を得ている。この便覧編集に際し、構造設計者の日本建築構造技術者協会(JSCA)、日本鉄鋼連盟、ミルメーカーや商社の2団体・7社が協力し、編集は建築構造用鋼材便覧編集委員会、発行は建築製作管理技術者登録機構となっている。
 同便覧に記載されている鋼種・鋼材は、▽H形鋼(JISH形鋼、外法一定H形鋼)▽角形鋼管(STKR、BCR、BCP)▽円形鋼管(スパイラル、UOE、プレス&ロール、継目無管、電縫管など)▽厚板・中板▽平鋼▽一般鋼(等辺山形、不等辺山形、溝形、I形鋼)で、▽在庫情報(常時在庫、在庫確認が必要、在庫なし)▽ロール情報(通常ロール、ロール確認が必要、ロールなし)が分かるようになっている。このほか、▽建築鉄骨関連商品(溶接材料、裏当て金、エンドタブなど17分野30社)が掲載されている。
 ▽建築構造用鋼材便覧は、A5判、2色刷り、205ページ、定価3,000円(税別)。
 ▽販売窓口は、鉄建協(03−5829−6124)、全構協(03−3667−6501)、鋼構造出版(03−5642−7011)で、両団体および関連団体会員頒布は1,500円(税・送料別)。

 
   
 

【建築関連統計】

 
     
 

日建連3月受注額2兆4,828億円(前年同月比3.2%減)
16年度受注総額は15兆2,09億円(前年比1.3%増)

 日本建設業連合会(日建連)が3月27日に発表した会員企業97社の2017年3月受注工事総額は2兆4,827億9,700万円(前年同月比3.4%減)となり、2兆円台になったものの前年比ではマイナスとなった。うち民間工事は1兆6,210億2,000万円(同0.5%増)と微増ながら前年同月比1ヵ月でプラスとなった。官公庁工事は7,830億6,100万円(同13.9%減)の2桁の大幅減に転じた。
 国内工事の受注が2兆4,051億0,500万円(同4.7%減)となり、民間工事は1兆6,210億2,000万円で、うち▽製造業が2,241億5,300万円(同46.8%増)と同3ヵ月連続で大幅増となった。▽非製造業が1兆3,968億6,700万円(同4.4%減)と同2ヵ月連続減となった。
 官公庁工事は7,830億6,100万円で、うち▽国機関が4,616億2,900万円(同24.7%減)と大幅減に転じた。▽地方機関が3,214億3,200万円(同8.3%増)と同3ヵ月ぶりにプラスとなった。▽その他は10億2,400万円(同2.7%減)の2ヵ月連続減となる。なお▽海外工事は776億9,200万円(同94.9%増)の大幅増となった。
 なお、16年年度(4月〜17年3月)の受注総額は15兆2,094億5,800万円(前年同期比1.3%増)。うち国内受注は14兆9,159億1,400万円(同3.2%増)で、▽民間受注は10兆3,211億0,500万円(同2.7%増)、▽官公庁受注は4兆5,667億7,700万円(同4.7%増)。海外受注は2,935億4,400万円(同48.0%減)となっている。
 また、17年3月の地域ブロック別では、▽北海道1,256億5,500万円(前年同月比9.1%増)▽東北2,695億3,600万円(同0.9%増)▽関東1兆0,192億0,300万円(同16.3%減)▽北陸1,227億3,300万円(同5.3%減)▽中部1,839億4,400万円(同2.2%減)▽近畿4,012億4,900万円(同10.6%増)▽中国798億6,500万円(同46.8%増)▽四国798億6,500万円(同39.1%増)▽九州1,431億9,500万円(同1.4%減)となった。
 地域9ブロックにおいて前年同月比増は北海道、東北、近畿、中国、四国の5ブロックとなり、近畿、中国、四国は2桁の大幅増となった。

3月粗鋼生産の888.5万トン(前年同月比1.8%増)
2月普通鋼鋼材建築用は50万2,610トン(同4.8%減)

 日本鉄鋼連盟が3月20日に発表した2017年3月の鉄鋼生産は、銑鉄は前月比では増加したが、前年同月比では減少した。粗鋼、熱間圧延鋼材は前月比、前年同月比とも増加した。
 銑鉄生産は656.3万トン(前年同月比2.7%減)と、前年同月比で2ヵ月連続減となった。粗鋼生産は888.5万トン(同1.8%増)となり、同2ヵ月ぶりの増加となった。炉別生産をみると、▽転炉鋼が668.6万トン(同1.9%減)の同2ヵ月連続減となり、▽電炉鋼が220.0万トン(同14.9%増)となり、同6ヵ月連続増となった。
 鋼種別生産では、▽普通鋼が668.3万トン(同1.4%減)と同2ヵ月連続減となり、▽特殊鋼が220.2万トンと(同12.9%増)となり、同11ヵ月連続増となった。熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は795.0万トン同0.6%増)と同8ヵ月連続増となった。普通鋼熱間圧延鋼材の生産は618.4万トン(同1.3%減)と同3ヵ月ぶりに減少となった。
 品種別では、▽条鋼類は156.4万トン(同2.7%増)の同6ヵ月連続増となり、▽鋼板類は457.9万トン(同2.8%減)となり、同2ヵ月連続減となった。主要品種の生産内訳をみると、▽広幅帯鋼が380.3万トン(同0.3%増)と、同3ヵ月連続増となった。▽厚板は72.3万トン(同15.5%減)と、同4ヵ月連続減となった。
 一方、条鋼類では▽小形棒鋼が71.1万トン(同3.7%増)と、同4ヵ月連続増となった。▽H形鋼は32.5万トン(同1.5%減)と同4ヵ月ぶりの減少、▽大形形鋼は7.9万トン(同5.5%増)と同11ヵ月ぶりに増加、▽中小形形鋼は9.3万トン(同3.9%増)と同6ヵ月連続増となった。特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は176.6万トン(同7.9%増)と11ヵ月連続増となった。
 普通鋼鋼材用途別受注量による建築用は50万2,610トン(同4.8%減)で、うち非住宅用は35万2,363トン(同4.9%減)。住宅用は15万0,247トン(同4.6%減)となった。
 なお、16年度(4月〜17年2月)の建築用は589万3,615トン(前年同比0.5%増)で、非住宅用は405万6,309トン(同1.7%減)。住宅用は183万7,306トン(同5.6%増)となった。

16年度粗鋼生産1億0,516万トン(前年度比0.9%増)
3年ぶりに前年度比増加

 2016年度の銑鉄生産は前年度を下回ったが、粗鋼、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は前年度を上回った。銑鉄生産は7,982.9万トンと(前年度比0.9%減)と2年連続の前年度比減少となった。粗鋼生産は1億0,516.3万トン(同0.9%増)となり、3年ぶりに前年度比増加となった。
 炉別生産では、▽転炉鋼が8,129.4万トン(同0.8%増)、▽電炉鋼が2,386.9万トン(同1.2%増)となり、粗鋼合計に占める電炉鋼比率は22.7%と前年度から0.1ポイント上昇した。
 鋼種別では、▽普通鋼が8,080.4万トン(同0.1%減)、▽特殊鋼が2,435.8万トン(同4.2%増)であった。熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼合計)生産は9,304.0万トンで、同1.0%増となり、3年ぶりに増加となった。
 鋼種別にみると、▽普通鋼が7,337.9万トン(同0.2%増)、▽特殊鋼は1,966.1万トン(同4.4%増)であった。品種別にみると、▽広幅帯鋼は4,409.8万トン(同0.6%増)、▽厚板は992.3万トン(同1.2%減)、▽小形棒鋼は843.1万トン(同0.9%減)、▽H形鋼は379.6万トン(同2.9%減)であった。

2月溶接材料、出荷高2万0,595トン(前年同月比2.4%増)
ソリッドの出荷高8,155トン(前年同月比4.3%増)

 日本溶接材料工業会がまとめた2017年2月の溶接材料生産・出荷実績によると、生産高は前年同月比で0.4%増の2万0,566トンと20ヵ月ぶりに増加となった。一方、出荷高でも同2.4%増の2万0,595トンと2ヵ月連続の増加となった。また、在庫高は11.4%減の1万8,701トンとなった。
 主要品種の生産高をみると、▽ソリッドワイヤ(SW)は7,685トン(前年同月比6.4%減)の同12ヵ月連続減。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,223トン(同4.0%増)で、同2ヵ月連続増。▽被覆アーク溶接棒は2,720トン(同8.9%増)の同3ヵ月ぶりの増加。その他を含む生産高は2万0,566トン(同0.4%増)である。
 一方、出荷高は、▽ソリッドワイヤ(SW)が8,155トン(同4.3%増)の同1ヵ月で増加に転じた。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,232トン(同2.8%増)の同2ヵ月連続増。▽被覆アーク溶接棒は2,608トン(同4.0%増)の同2ヵ月連続増となった。その他を含む出荷高は2万0,595トン(同2.4%増)となった。
 在庫高は、▽ソリッドワイヤ(SW)は6,495トン(同9.6%減)となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は6,251トン(同3.0%減)。▽被覆アーク溶接棒は3,137トン(同27.4%減)となった。その他を含む合計在庫高は1万8,701トン(同11.4%減)となった。
 16年度(4月〜17年2月)の生産量は前年同期比で5.2%減の22万0,201トンで推移している。17暦年(1〜2月)では同1.6%増と微増ながら良好なスタートとなっている。

 
   
 

【建築プロジェクト】

 
     
 

東京駅八重洲口前「八重洲2丁目北地区再開発」
地上44階建てなど延べ床28万平方メートル

 JR東京駅八重洲口前で総延べ床面積約28万平方メートルの複合ビル2棟を計画する「八重洲2丁目北地区市街地再開発組合」を設立した。建設区域は東京都中央区八重洲2−1ほか(区域面積約1.5ヘクタール)。区域をA−1(敷地面積約1万2,450平方メートル)、A−2(同1,050平方メートル)の2街区に分け、複合ビルを1棟ずつ建設する。同区域にはこのほかに、「八重洲2丁目中地区再開発(延べ床面積約42万平方メートル)」「八重洲1丁目東地区再開発(同24万平方メートル)」が計画されている。
 同組合は設立総会を開き、12月の権利変換計画認可を経て、18年2月に既存建物(八重洲2−2−2の区立城東小学校施設を除く)の解体工事に着手する。実施設計は日本設計が担当し、同年11月に本体着工し、22年8月の竣工を目指すとしている。総事業費は2,398億円を見込んでいる。事業協力者として三井不動産、コンサルタントとして都市ぷろ計画事務所が参画している。
 A−1街区は、S造・一部RC造・SRC造、地下4階・地上44階建て延べ床面積約27万7,500平方メートル、高さ245メートルの超高層複合ビルを建設する。ビルにはオフィスや店舗など商業施設、高層部にはホテルが配置される。地下階に国際空港、地方都市を結ぶ高速バス発着のバスターミナルと駐車場などを設ける。
 このほか、ビルの南東側の低層部には計画地内の区立城東小学校新校舎が入る。新校舎は現校舎の1.8倍の延べ床面積約7,662平方メートルとなる。
 A−2街区は、S造・一部RC造・SRC造、地下2階・地上7階建て、延べ床面積約5,850平方メートル。高さは50メートル。ビルにはオフィスや店舗、認定こども園が入る低層のビルを配置する。
 区域内では、南東側を通る柳通り(特別区道)の再整備と歩道拡幅、広場(40平方メートル)や屋内広場(950平方メートル)、貫通道路などの公共施設も整備する。

 
   
 

【雑論・正論】
ままならぬ断捨離

 
     
 

 この春、狭い書斎の整理を思い立った。まず「入る物を断つ、いらない物は捨てる、物から離れる」と言われる<断捨離>だが、処分することは思うほどに捗らない。物には出会いがあり、思い出もあり、それなりに価値もあった。とくに仕事柄かき集めた文献や資料、書籍・雑誌類が書架や床に積み上げられているが、容易に捨てきれない。
 電車内で読み耽った文庫・新書本でもかなりの量になる。気楽に読める小説や実用書などに、我ながら驚いている。捨てるには勿体ないので、娘に「家に持って行ってくれ」と言ったら、「(こんな本)読めと言われてもね。我が家にも読む本は沢山あるから。処分なら<BOOKOFF>だよ」と言われたが、その気になれず今に至っている。
 物の処分の究極には家屋がある。我々世代は30代に住宅ローンで分譲住宅を購入した人が多い。子どもができれば庭付きの家が欲しくなる。1970年代は郊外に分譲地や建売住宅が点在し、日曜祭日の内覧会には子ども連れが大勢押しかけた。「土地は確実に値上がりします。家賃を払うよりローン返済が断然お得です」とセールスマンに背中を押される。明るく機能的なリビングではしゃぎ回る子どもを見て「この子らの将来のため」と決断する。
 あれから40年。子どもたちは独立し、郊外の家は夫婦のみ黄昏生活で、盆暮れ以外は子ども孫も寄り付かないのは周囲の家も似たり寄ったり。中には、早々と売却し都内のマンションに移転した人もいるが、今では遅すぎるようだ。「家屋があっては売れない。土地は購入時の半額でも売れない」と嘆くことになる。二世帯住宅に建て替えた人もいるが、大半は嫁・婿との気兼ねや孫の躾で揉めることを考えれば「二世帯住宅で暮らそう」と言えない。
 戦前の勤め人は借家生活が殆どで、収入と家族構成に見合った家を借りていたと言う。所帯道具も簡素で、何時でも気軽に転居できたようだ。今は、大型家電から家具・食器、洋服・靴、書籍などモノが溢れている。独立した子どもの物まである。成長記録として作ったアルバムも関心なく置いてき、勝手に廃棄もできないためそのままだ。
 かつての分譲地は、築40年の老朽家屋には溜まりに溜まった物と老夫婦が暮らす限界集落に。高齢者の運転は危険と<免許返上>というが食料調達に車は手放せない。子どものためと30数年のローン返済は何のためだったかを閑散とした家で自問自答する。地方も都市郊外も空き家が年々増え、今では7.4軒に1軒が空き家だ。
 「資源だ。財産だ」と話題になるゴミ屋敷の住人も、断捨離できない人も根は同じ。終活に向かって、お手助け業者に頼むか、財産管理を信託銀行や管理会社に委託する方法もあるが、終末整理はなかなか難しいものである。

【加藤 文雄】

 

 
     
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